- ホーム
- > 和書
- > 文庫
- > 歴史
- > 講談社 吉川英治文庫
内容説明
出る杭は打たれる。―永禄の終りから元亀の初めにかけての信長が、まさにその状態に置かれていた。東北には武田・上杉の古豪が若輩何するものぞと眼を光らし、西北には浅井・朝倉が虎視眈々と隙をうかがっている。折も折、西上を打診しつづけていた信玄は、信長の盟友徳川家康を襲った。浜松城北方の台地・三方ケ原に徳川軍をおびき出し、これを粉砕した。家康、生涯唯一の完敗であった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chantal(シャンタール)
79
【月イチ太閤記】この巻は秀吉と言うより、信長の話のよう。武田信玄の死、比叡山焼き討ち、将軍義昭追放、朝倉義景討伐と進み、クライマックスは小谷落城。浅井長政は意地を張らずに信長に着いて行けば良かったのに。なんとかお市の方と子供達を助け出した秀吉は長浜城を賜り、羽柴秀吉と改名しついに22万石の大名となった。それにしてもここで描かれる信長の魅力的なこと。女性に優しいところが何とも言えない。私の中では信長は及川ミッチー、太閤記の信長はまさにミッチー信長だ。2020/04/04
優希
67
信長の掲げた「天下布武」が周囲に危機感をもたらしたようです。そこから始まる長い戦乱の渦中に信長はいました。藤吉郎は、出世の階段を登り、羽柴の姓が与えられたことで、秀吉と改名。信長の天下統一はまた前進し、秀吉の出世の道も開けていったのがよくわかります。2019/01/19
ともくん
55
遂に、室町幕府が崩壊。 信長が天下統一の第一歩を踏む。 この巻は、ほぼ、信長が主役。 藤吉郎も信長から貰った、羽柴秀吉という名前で、世に踏み出した。 一国の主になっても、秀吉の変わらない姿に好感が持てる。2019/03/15
けろりん
46
開山伝教法師の五台四明の峰に灯した法の光は何処へ。四面の敵に対峙し、且つまた仏法の聖地をも焼き尽くさんとする信長の瞋恚。応仁の乱以降、日本は群雄割拠。其々の国盗りに国土は荒み、庶民は塗炭の苦しみに喘ぐ。「仏法破壊の魔王と称ばばよべ」国家鎮護の大本を棄て、武力と結び、権門を使嗾し、法体に甲冑を纏う外道ども、浄火に滅せよ。必ずやその焼趾に真の弥陀を招来してくれよう。乱脈と暗黒に沈む日本全土の人々を甦らせ、大君の御こころを安んじ奉る日を迎え取ってみせる。「死のうは一定」将士一体となって駆け抜ける怒濤の天下布武。2020/08/03
ちび\\\\٩( 'ω' )و ////
30
「天下布武」を誓う信長。彼の勢力は瞬く間に拡大していき、周囲の勢力は次第に危機感を感じていく。そして将軍足利義昭を中心に信長包囲網が形成される。ここから10年以上にも渡る長き間、信長は戦乱の大渦中に身を投じていく。比叡山の焼き討ち。武田対徳川の激闘から徳川の大敗北。そして突然の信玄の死報。包囲網の柱、武田信玄の死により信長は反転攻勢に出、朝倉、浅井と次々と滅ぼされて行く。大功を積む秀吉も、長浜城を頂き今浜と改名、名実共に出世の大階段を登って行く。そして信長から羽柴の姓を頂き、ここに羽柴秀吉が誕生する。2017/08/03