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内容説明
沢庵のあたたかい計らいで、武蔵は剣の修行に専念することを得た。可憐なお通を突き放してまで、彼が求めた剣の道とは…。だが、京畿に剣名高い吉岡一門の腐敗ぶり。大和の宝蔵院で味わった敗北感、剣の王城を自負する柳生の庄で身に沁みた挫折感。武蔵の行く手は厳しさを増す。一方、又八は堕ちてしまい、偶然手に入れた印可目録から、佐々木小次郎を名乗ったりする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
雪風のねこ@(=´ω`=)
117
お通が携えた白芍薬の色彩が鮮やかだ。それにしたためた石舟斎の便り(芍薬を飲まねばならない程の風邪をひいてるから勝負できないよ)がお洒落である。強過ぎるから弱くなれと言われているのに血気盛んだから、あぶれた浪人どもの始末をさせられてしまう武蔵であった。とうとう佐々木小次郎と思しき人物も出てきた。又八が代わりをやるの?と思ってたらそうでは無く(なってたら少年漫画の筋書きね)、物干し竿の持ち主も出てきましたよと。吉川拳法との決戦も間近になって、釘を踏んだ傷が化膿し満足に歩けない武蔵(続く2017/11/27
優希
74
武蔵の本格的な剣の修行が始まったようです。剣の稽古に専念できるのは良いことですが、武蔵の求める剣の道が気になりました。敗北感や挫折感を味わったことで厳しい道が待っているようにしか思えません。2019/01/09
k5
68
電子合本版で読んでいるので、実際のところどこにいるのか分からないのですが、水の巻まで読了。vs吉岡道場、vs宝蔵院、vs柳生と盛りだくさんです。ただ、格闘シーンの描写は実にあっさりしていて、のちの隆慶一郎や少年ジャンプとかの描写力はあらためてすごいと思わされます。2020/11/16
ともくん
64
[再読] 武蔵、又八、お通、佐々木小次郎、それぞれの人生が動き出す。 それぞれが、自分の目標を持ち、それに向かって駆け出す。 出会いと別れを繰り返し、武蔵も成長してゆく。 何事も近道は無い。 遠回りでも、それが自分にとって成長してゆく大切なのプロセスなのだと思える。 何事も経験だ。2018/12/24
としちゃん
52
第二巻。京の吉岡、大和の柳生を訪ねた武蔵は東国の塚原卜伝の流れをくむ北畠具教がいる伊勢桑名へ。一方、落ち目の吉岡一門は、ひょんな事から佐々木小次郎とつながり、懇意になる。吉岡とは再度戦うことを約束している武蔵と、佐々木小次郎が少しずつ繋がっていく予感。吉川英治の宮本武蔵は、ニヤミスの連続、連続で、どんどん読ませますねぇ。ああ、惜しい〜ってとこで会えなかったり、会えても想定外の展開になったり。それにしても又八のダメさと言ったら、このダメ男も気になる。2017/11/05