内容説明
物を透視する先天的な“眼”の才と直感が対象を眺め、いじり、抱き、そして離れて再度見入って掴み取る。“物が見える”とは何か。“美の窮極”とはどんなことか。批評家、本の装幀家、陶器鑑賞家青山二郎の一体なにが小林秀雄、中原中也ら昭和の文人達の心をかくも捉えたか。彼らの隠れた精神的な支柱であった“昭和の異才”の芸術、文学へ向けた自由闊達な批評。文庫版初収31篇。
目次
鎌倉文士骨董奇譚
独り言
追悼文
小林秀雄と30年
小林のスタイル
大岡昇平
交友録を語る著者
読者書道を語る
中山義秀
最も善く出来た田舎者
夜眼、遠眼、傘の内
陶経
ピカソの陶器
琳派について
バアナード・リーチ
映画評
日本の陶器
北大路魯山人
魯山人伝説
夢二の魅力〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
冬見
12
古書店で巡り合ったので購入。白州正子の『いまなぜ青山二郎なのか?』が好きで、彼の書いた文章を読んでみたかったので良い出会いだった。同時代の文士との交流の模様も興味深かったが、一番印象に残ったのは彼の「眼」の在り方。余技と言いつつも徹底的に対峙し、愛する姿勢には羨ましさすら感じた。2022/03/01
AR読書記録
2
白洲正子の解説にはこうある。「空虚だから、物も集まり、人も集まって、連歌や音楽のようにひびき合う。去って行けばまた何もない空間だけが残る、そういう舞台が茶室というものであり、青山二郎という人間ではなかったか。」なるほどねと思って読み始めたけれど、青山が友人知己たちに向けた冷静で皮肉で愛情(熱情というか、才能に対する深い信頼というか)に満ちた視線を思うと、空虚、ではないなと思う。見えないものが満ち溢れた巨大な器。うむ。ところで、北大路魯山人のキャラクターがとても強烈そうなので、次はそのへんを追求したいかも。2014/04/19
寛理
1
☆☆ 小林秀雄の文章は非論理的で何が言いたいのかわからん、とよく言われるが、青山二郎の方がよっぽどすごい。まず文章が解読できない。大岡昇平の話が載ってるのでがんばって読んだが…。2020/04/02
yukioninaite
0
この時代の人というのは、自分の気持ちのままストレートに生きているのだなぁ。バランスを取ろうという感じがしない。それでダメならそれでもいいや、という生き方もいいね。今は世の中に自分を填めようという人が多いよね。2015/08/30
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