内容説明
幼少年期を英国で過ごした“神秘の文士”吉田健一。日本語が母語でありながら夢は英語で見たという伝説の英国を知り尽した文芸評論家の滋味溢れる随筆。「英語上達法」「読むことと話すこと」「英語と英会話」「旅の印象」「ロンドンの公園めぐり」「英国の四季」等その自然と風土のかもす独特の英国的思考と感性の底の普遍的なる人間真実を楽しく綴るエッセイ四十二篇。
目次
英語
英語教育に就て
英語上達法
続英語上達法
英語修得法
読むことと話すこと
英語と英会話〔ほか〕
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヨーイチ
17
時代を確認しながら、ゆっくりと読了。英語関係は適当に要点だけ。小生には荷が思い。吉田健一のことは多分丸谷才一のエッセイで知ったのだと思う。解説の人が文章を真似ていて、面白い。句読点の有無もそうだけれど、行きつ戻りつ、冗談を交えて、結局はぐらかされた様な文章が妙に好き。人生に飽き飽きしてて、飲んだくれで、フト漏らす言葉に真実が垣間見える、英国紳士ってこの人から始まったのではないか。タマに文章を真似している事がある。全編に漂う強固な自我が印象的。2014/10/08
Ex libris 毒餃子
12
イギリス人になりたくて読んでみました。吉田健一があの「ウナギゼリー」を食べていたとは・・・。2022/05/07
おはぎ
11
英語と英国と英国人について、ウィットに富んだ文章が続く。英語学習法についてのあれこれは今に通じると思われる。著者の文章ではまだ読みやすい方だと思う。2024/10/20
うえ
8
ウィットのよく効いたエッセイ集。「フランス文学の方が、東大の辰野隆博士の門下に多くの秀才を出して、その各方面での努力で忽ち日本の文学界の関心を集め、フランス文学を知ることが文学を愛好するものにとって欠くことが出来ない条件と考えられる位になったのは、例えば小林秀雄氏の文芸評論の上での仕事というもの一つを取って見ても、充分に頷ける。併し英文学はそれよりも大分前に日本に入って来たので、それが昭和初期になって改めてフランス文学の後から日本の読者にこういう外国文学もあるのだという形で紹介されることになった」2021/07/05
skellig@topsy-turvy
6
1ポンド=約千円、など時代を感じさせる点もある。しかしそこも含めて、いい味がある英国エッセイ集。吉田氏の文章は読みづらいと言われることもあると何処かで見たが、確かに今時の文章では見ないタイプかも。だからこそいい!と叫びたい。独特の文体の魅力にハマってしまい「もう少し読んだら寝よう」と呟きながらお肌の健康と引き換えに午前4時読了。直後の再読に耐えるエッセイって中々ないと思うのですが、これはその稀有な種に属す一冊。2013/01/03