内容説明
題名もわからない、表紙のちぎれたまんが本。「男の子がな、ある朝、目をさましたら、へんな虫になってるんや。」おばあさんがユキに貸してくれたのは、そんな話の一冊の本でした。講談社児童文学新人賞佳作入選作。小学校上級から。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
けいねこ
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主人公の心の痛み。この気持ち、知っている。立ち向かわなければならないことから逃げてしまった、あのときの痛み。だれもが戦えるわけじゃない。だけど、戦わないからってわかってないわけじゃないんだ。立ち向かわなければ、あとで自分がつらくなるっていうこと。ただ、あとちょっとだけ待って欲しい。自分で歩き出すまで。自分で歩かなきゃいけないんだって、自分でわかるまで。さなぎのままひからびて死んでしまう虫もいる。だけど、まだ、だめだと決めつけないで。からのなかで、蝶になりかけているのかもしれないから。きっと飛び立つから。2013/01/21