内容説明
本書は乱歩がはじめて「探偵小説評論集」と銘うったもので、わが国の探偵小説評論としては画期的な大著である。また克明な収集家である乱歩が丹念に準備した研究文献目録や日本の叢書目録、雑誌目録など、探偵小説愛好家にはたいへんな便宜を与えている。ミステリーファンには必読の書である。
目次
探偵小説の定義と類別
二つの比較論
倒叙探偵小説
倒叙探偵小説再説
英米探偵小説界の展望
イギリス新本格派の諸作
英米探偵小説評論界の現状
英米短篇ベスト集と「奇妙な味」
探偵作家としてのエドガー・ポー
一般文壇と探偵小説
探偵小説純文学論を評す
怪談入門
「猫町」
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
マーロウ
3
乱歩による探偵小説に関する随筆集。本当に多くの作品(探偵小説、ホラー小説等を細分化した上で)に言及しており、読むのが疲れるくらいだった。 初めて知り、読んでみたいと思わされる作品も沢山あった。 乱歩は、探偵小説はただの推理ゲームでなく、より文学的であるべきと考えているようだが、自分もこの意見には賛成だ。魅力的な登場人物や舞台、一つ一つの表現等にも気が配られている方が好きである。2018/10/26
スター
0
乱歩の探偵小説評論集。取り上げられた作品が、読みたくなる。昭和20年代の国内外の、探偵小説の置かれた状況が、よくわかる。 2018/02/06