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内容説明
黒船をひきいて1853年、ペルリが浦賀に来航した。開国佐幕派と倒幕勤皇攘夷派に二分された国内は混乱をきわめた。そのさなか、革新を叫ぶ吉田松陰の刑死は、松下村塾の塾生たちを動揺させた。師の志をどうしたら活かせるのか?動乱の世を生きる若き志士高杉晋作は、日本国再興のため苦悶する。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はちこう
13
明治維新の人気人物ランキング的なものでは龍馬や西郷には敵わないが、個人的には高杉晋作が好きである。功山寺挙兵が倒幕への流れを変える分岐点だったと思っている。この功山寺挙兵における晋作の活躍がなければ、維新は大きく遅れたかもしれない。コールド負けから逆転勝利に流れを変える起死回生のクリーンヒットのようだ。一巻は松陰に関わる話しが中心。晋作も凄いがそれを見出し育てた松陰の功績も素晴らしい。改めて彼らの偉大さを感じさせられる。「世に棲む日々」を再読してみたくなった。2025/05/24
Kaz
11
幕末維新の出来事の中で最も胸がすくのは、第2次幕長戦争で長州軍が幕府軍を駆逐し、小倉城を落とすシーン。その立役者はなんと言っても高杉晋作。「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し。衆目駭然として敢えて正視するものなし、これ我が東行高杉君に非ずや……」と伊藤博文が評した、坂本龍馬、西郷隆盛と並ぶ幕末のヒーロー。彼の短くも太い一生を改めて辿ってゆく。2025/03/08
ひじり☆
9
何かを変えたいという気持ちはあるが、それをいかに実現するかが分からず、自分を理解してくれないと焦るばかりの不良少年みたいな晋作。それが、内面の成長と共に時勢の見方だけでなく人間の見方も広がり、敵の井伊の視点で考えるところが印象的。思考の熟成が進んでいき、それをどう行動に移して行くかが楽しみ(*´ω`*)2017/03/25
よっしー
7
★★★松陰と高杉晋作、相互の想いが熱い。どういう成長を遂げていくのか楽しみ。2015/04/07
keroppi
6
吉田松陰、井伊直弼と続いて、やはり高杉晋作。黒船来航から安政の大獄、桜田門外の変までが、高杉晋作の心の動きとともに丁寧に綴られていく。特に吉田松陰が死に至るまでと死した松陰を葬る描写は、圧巻である。続きが楽しみだ。2015/06/17