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内容説明
信長の前途は明るい。叡山、本願寺の焼打ちで仏敵の汚名は着ても、立ちふさがる敵は、武田勝頼、中国毛利、そして上杉謙信のみ。その謙信が死ぬ。長篠の合戦で武田軍を追い散らした信長の天下統一は目前。だが―明智光秀、本能寺に主君を弑する。時代を先駆けた不世出の天才は笑って死んだ。完結篇。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
44
破天荒の若き日から時代を休むことなく駆け抜けた信長。天下統一まで後一歩の時の本能寺。死の道を選んだ信長だからこそ格好良くて、謎めいているのですね。読み始めから最後まで引き込まれっぱなしでした。2022/04/08
金吾
27
信長はまだ天下を治めておらず伊達、北条、上杉、毛利、長曽我部、島津が残っていたと言われていますが、日本の中央部をおさえた状態で過半数の領土を保持しているので、天下統一は時間の問題ではないかなと感じます。それだけに本能寺の変は日本史の中でも有数のターニングポイントと思っています。それを引き起こした明智光秀の葛藤が上手く伝わるように書かれており、良かったです。2023/02/06
ケンケン
27
(433冊目)遂に疾風迅雷の生涯に幕が降りた。 家康・光秀との格違い、そして徐々に変容していく光秀・明智家内の風向きが歯がゆくもあった。まさに疑心暗鬼だな…光秀の姿は… お濃との関係は終始良かったな~ 信長の生涯を、ちゃんと読み通してみて、改めて歴史は面白いものと思った次第です!!2015/10/05
金吾
23
光秀が信長をだんだんと理解できなくなっていき心が疲れていく様が伝わってきました。頭のいい人が理解できない状態になるとこうなるのだという一例を提示されたような気にもなりました。ラストはなかなかジーンとする内容でした。濃姫との夫婦関係がこうであるなら素敵だなと思いました。2021/06/16
飛鳥栄司@がんサバイバー
21
信長の物語というよりも光秀のための5巻である。いつのころからか、信長家臣団から遅れを取り始め、信長の言葉が届かなくなっていく。なまじ知恵者故に、信長の言葉と心の翻訳者をそばにおかず、光秀の息のかかった譜代の家臣で周りを固めたことで盲目になったのではと読み取れる。いっそのこと早々に隠居して息子に家督を譲って、信長の傍使えになっていたほうが光秀の才能を活かすことができたのではないか。「光秀謀反。是非も無し」と未練も無念も残さずに消えゆく信長の格好良さばかりが引き立つ幕切れ。2021/03/21