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出版社内容情報
山岡 荘八[ヤマオカ ソウハチ]
著・文・その他
内容説明
鎌倉幕府は滅んだが、公家は驕りたかぶり、諸国武士は恩償をめぐって争い憤り、新しい政治の実は上がらない。とりわけ征夷大将軍の座を狙う足利尊氏と、源家嫡流の名にこだわる新田義貞の対立は、周囲をまきこんで激しさを増した。鎌倉の中先代の乱を鎮めた尊氏は京に戻らず、野望成就の策を練る。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
フミ
22
いよいよ、鎌倉が陥落し、1つの時代が終わる1冊でした。前半100頁辺りの、北条一族の最後は凄まじかったです。 そして、すぐに建武の新政が始まるのか…と思ったら、源氏同士の主導権争いやら、山から降りてこない護良親王(大塔宮)の話など、半分過ぎ位までゴタゴタ。倒すので精一杯で、新体制作り所じゃないですね…。 主な出番は、オリジナルな要素で情報集めをする楠木正成と、倒幕で頑張った正義派の公卿「万里小路藤房」の嘆きが印象的でした。「一君万民」の理想は、時代が早すぎたなぁ…。護良親王…無念すぎる。2025/10/24
金吾
21
後醍醐天皇は気宇壮大かもしれませんが、太平記を通じて感じるのは貴人信用すべからずと言うことです。また公家に代表される世間知らずで実力もないものが天下国家を手中に入れることの害悪がよく伝わります。また鎌倉討伐における武力のみの新田氏を見ますと専門性に特化すべき軍人は政治に関わるべきでないと感じました。このように太平記を読みながら現代に考えを置き換えるのも楽しいです。2021/03/04
金吾
20
義貞の鎌倉攻めは武人として生き生きしており、心踊る部分があります。また公家の存在の必要性は何なのだろうかと疑問を持ちながら読みました。2022/07/01
フーミン
9
鎌倉陥落。北条高時の自決。後醍醐天皇の京都帰還が成し遂げられて一段落ついたかと思いきや、足利高氏との関係がもつれて、大塔宮護良親王は弑されてしまう。高時の最期と護良親王の最期がこの一巻に納められていることは、この歴史的出来事が劇的であったと強く感じさせる。鎌倉幕府の消滅と江戸幕府の大政奉還、建武新政と明治維新。歴史は繰り返されいるんだと思わずにはいられない。2018/03/10
あおさわ
8
歴史の激しい流れが一冊に込められていました。戦争を終え、乱を起こさず平和を続けることの困難さ。楠木正成とともに嘆いてしまいます。特に高師直。こいつは力の信奉者であり、現実主義者であり、マキャベリスト。この男が嫌いすぎてイライラしながら読んでました。我こそはという野心と我こそはという傲慢、誰かのためにという献身がぶつかりあい、権謀術数の火花が歴史と歴史の境目で飛び散る。面白いです!そしてついに立つ尊氏に、楠木正成、新田義貞が立ち向かう!宮の無念をせめて高師直にぶつけてほしい!(個人的欲求) 2013/12/15




