出版社内容情報
読売文学賞受賞作品
第4巻 ねじまき鳥クロニクル 1
●第1部 泥棒かささぎ編/第2部 予言する鳥編 所収
●著者による書下ろし「解題」入り
村上 春樹[ムラカミ ハルキ]
著・文・その他
内容説明
第1部泥棒かささぎ編、第2部予言する鳥編を収録。著者による書下ろし「解題」入り。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
恭子
27
「全作品 1990〜2000 2」の解題で、「ねじまき鳥〜」の冒頭でかかってくる正体不明の電話は「国境の南、太陽の西」のイズミからかかってきた電話だということになる、と村上さんが言っていたので、それを念頭に置いて読んだ。 文庫版で何度か読んだはずなのに、電話の女の正体を忘れていたので、最後「ハッ」とした。2016/10/17
tom
15
奇妙なことが続き、突然妻が出奔した。数日後、手紙が来た。「男性関係を持った。驚くような体験だった。男とは別れた。でも、話すことができない事柄がある。離婚する。」と書いてあった。ここから始まる物語。村上さんは、湾岸戦争が始まったそのとき、アメリカに在住していて、この本を書いていた。ジャパン・パッシングの真っただ中で、日本を責める雰囲気を痛いほどに感じていた。そこから、「歴史的責任」から逃れることはできないと考えるようになったと書いている。この本の切実感は、そこにつながるのかと思いながら読んでいる。2022/10/23
miki
8
穏やかに妻と暮らしていたはずのオカダトオルは、猫の失踪から始まり、加納マルタ、その妹クレタ、笠原メイ、女たちと出会いそしてまた去られて一人になる。間宮中尉の戦争の話は凄惨で頭から離れない。淡々とした語り口から当時の狂気を感じさせる。オカダトオルは自ら選び困難の道を行く。女たちがこれからどう彼を翻弄するのか。2017/03/29
ラウリスタ~
8
十年ぐらい前にちょこっと読んだときは描写の露骨さとかに辟易した記憶があるが、慣れればそこが気にならなくなる。どうやら春樹の作品は、おもった以上に綿密な調査がされた上で書かれているみたい。アメリカの大学図書館で資料を漁ったりしたことが、この微妙に乖離した世界を生み出しているのかもしれない。まるで体験してきたかのような体験談を語らせる春樹の筆力は、只者ではないな。井戸のテーマなんかはずっと繰り返されてきたテーマだったんだ。2012/10/28
naoyu
5
ねじまき鳥クロニクル一部と二部。なんか不思議なストーリー。いろんな謎がありますが、最後には全て回収するのか?三部が楽しみです。2015/02/13