内容説明
日本列島改造論が吹きあれ、コンクリートの街があちこちに。そこへ石油ショックが襲い、たちまち狂乱物価と物不足が発生する。政界ではロッキード事件、リクルート事件に象徴される汚職がはびこる。昭和はどこへ行く。天皇崩御の悲しみと共に自らの還暦をふり返る。
目次
第1章 万国博とハイジャック
第2章 美女エプペ
第3章 帰還兵たち
第4章 田中角栄と日本列島改造
第5章 家ダニのような生活(心象風景)
第6章 ロッキード事件〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
HIRO1970
36
⭐️⭐️⭐️図書館本。文句無しに傑作です。2015/06/04
とんかつラバー
15
万博から昭和天皇崩御まで。生まれる前だが「昭和の衝撃映像」特集などで見た事がある事件がチラホラ。天皇の血圧や容態がテレビ中継でリアルタイムに流れていたのは覚えている。飯も満足に食べれないのに勇ましさで戦争して大敗戦。再建、そしてバブルへ。物質的に満たされ、世界最高の経済大国となった日本。しかしそれで幸せかというと思い出すのは南国での暮らし。精神の豊かさを訴えるのが水木サンらしいし、その通りだと思う。2024/01/19
三平
13
昭和後期を語る8巻は話が昭和史から脱線気味(まあ、その脱線した話も面白いのだが)。 しかし最後に熱を込めて、昭和をすべて体験したからこその立場で、これからを生きる人たちにメッセージを送る。 “「過去」のことは手に取るようにわかる あの時ああしておけばよかったとか非常によくわかる この「歴史」という過去も、また「昭和」という極めて近い過去もかつては瞬間に過ぎ去った「現実」だった その時の現実の判断を誤ると我々が体験したような不幸が「未来」にやってくる そこにはもう幸福はない2019/08/29
ニッキー
12
昭和は確かに戦争の歴史だったかもしれない。 軍部の力を外国の力で倒す事が出来たのはそうかもしれない。 明治維新といい、日本は自分達は自力で何かを出来ない国民かもしれない。 日本は豊かになったのか、今でもそう思う。全てマッカーサーが仕組んだと何かに書いてあった。何十年もかけて日本人を骨抜きにしたと。 そんな長期的な戦略など日本人には無理。戦争はいけないが、無くなってはいないし、与えられた民主主義と言う幻想の平和にボケているのは確かだ。 京都で水木しげる展を11月までやっているらしい。2018/09/24
りるふぃー
9
軍国主義のおそろしさ。資本主義の行き着く先がくっきりと見えてきた今こそ、昭和を振り返るべきだと。今こそ日本人の未来の分かれ道なのだと思う。2023/03/30