内容説明
日本の連合艦隊はレイテ沖海戦でも敗れ、主力艦を失う。もはや敗色は鮮明になっているにもかかわらず、「撃ちてしやまん」の号令で、神風特攻隊を繰りだす。しかも本土決戦を叫ぶ。B29が飛来し東京、大阪は焼け野原と化す。そして昭和二十年四月一日、米軍は沖縄本島に上陸。その犠牲者は十九万人に及ぶ。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
小鈴
21
水木さんはココボ→バイエン→ズンケン→マロンガ。連絡をとるために10名でバイエンに向かうが水木さん以外は全滅、辛うじてバイエンに着くが殴られる。バイエン以降の話は「総員玉砕せよ」とほぼ同じ。但し、水木さんはマラリアで動けず、そこで空襲を受け左腕を失う。顔より膨れ上がる左上腕。結果論だが、児玉中隊長の決断で玉砕を免れたものの他の隊員は再玉砕させられたが、水木しげるは生き残ったのだ。健康だったら再玉砕させられていた。アメリカはレイテ海戦に勝ち更に押し進み、ニューブリテン島で戦うのはオーストラリア軍に。2020/12/12
HIRO1970
21
⭐️⭐️⭐️図書館本。2015/05/11
nbhd
15
死地を彷徨う水木さんの巻。気になるメモ①米軍の食糧事情…米軍が一時撤退した陣地で、水木さんは大量の缶詰やチョコレートを発見する。極みつきは「超豪華缶詰弁当」。供給乏しく現地調達も辞さずの日本軍に対して、米軍というか米本国では兵隊さんのための弁当産業が十分に発達していたってことだ。やはり、「ごはん問題」気になる。②幽霊部隊…最前線に送られた水木さん所属の部隊は、なぜか、全員が名誉の玉砕を遂げたとして大本営に報告される。ところが、じつは一部が生還した。大本営への報告と食い違うので「自決せよ」的なお達しがくだる2025/11/24
三平
15
10倍の敵を前にしてズンケン支隊を道連れに「美しい玉砕」を決定した27歳の大隊長。 しかし、遊撃戦に転じ犬死は避けるべき、と主張した児玉中隊長のおかげで離脱を許された中隊の兵士たちは死地から生還する。 大本営に支隊は総員玉砕したと電文を送ってしまった現地参謀本部は困惑し、生きていては困ると処刑や敵陣への斬り込み命令で生き残りを死なそうとした。2019/08/23
KJ
14
戦争は、困窮によって始まり、困窮によって終わる。生きることより、死ぬことが美徳となる戦場。生きているそれ自体が咎められる戦場。価値観の狂った戦場において生き残るということは、並大抵の生命力で成せるものではない。兵士にとって生きることの最大の阻害要因は、砲弾でも病気でもなく、上官の不条理だったのかも知れない。2012/12/18




