内容説明
中国人民のねばりづよい抵抗にあい、日中戦争は膠着状態におちいった。撤退もままならぬ中で、日本の軍部は太平洋に眼をむけた。石油資源を確保するためである。大東亜共栄圏の美名のもとに作戦が練られる。開戦を避ける日米交渉も決裂。昭和一六年一二月八日、真珠湾に奇襲をかけ、ついに太平洋戦争へ突入。
目次
第1章 東亜新秩序
第2章 新聞配達となる
第3章 日独伊三国同盟
第4章 紀元は二千六百年
第5章 開戦前夜
第6章 戦争か平和か
第7章 「トラトラトラ」
第8章 マレー、シンガポール攻略〔ほか〕
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
HIRO1970
35
⭐️⭐️⭐️図書館本。2015/06/02
いっくん
21
日中全面戦争〜大東亜戦争開始。水木さんは新聞配達始めるも、全くやる気なし(笑)父上は、ジャワで一発当てて金持ちに。日本は、魔界の中国に手を出し深みに。日独伊三国同盟まで漕ぎ着ける。大政翼賛会が発足するも、軍部に取り込まれていく。日本は、日ソ中立条約、ドイツは独ソ不可侵条約を破棄。北部仏印進駐を果たし、南部仏印進駐を強行。ABCD包囲陣を強化され、米国と交渉するも、最後にはハルノート。真珠湾攻撃は成功するも、戦争反対で大統領となったルーズベルトは、大義名分が出来ほくそ笑む。到頭しげるさんにも赤紙が!2016/07/03
三平
13
アジア・太平洋戦争へ突入の巻。 一連の流れを改めて見てみると軍部はもちろんだが、国家を導くべき政治の機能不全がひどい。特に近衛文麿。間違った流れに身を任せるどころか、それに乗っかって行き、更に事態を悪化させてしまい目も当てられない。 忌むべき全体主義に日本は進んでいく。政治の劣化はそもそも民衆にも大きな責があるのだろう。水木父も浮かれすぎ。ダメだこりゃ。2019/08/19
nbhd
12
山本五十六さんは、対米開戦が無理筋な話だと理解していて、「やれと言われれば初めの半年か一年の間は暴れましょう」、「でも、2,3年となると全然無理っすよ」と発言している。でも、戦争は始まった。この巻は、日本が破竹の快進撃を続ける太平洋戦争の初めの半年、一年の話だ。①米軍による暗号解読。ミッドウェー海戦の大敗は、すでに米軍が日本軍の暗号解読ができたから、と知っていたが、それがなぜ可能だったかと言うと、日本軍の沈没船から暗号表を回収してたから、と書いてある。へぇ~。②アジア諸国の解放の側面、もっと知っておきたい2025/11/15
とんかつラバー
12
軍部と右翼が手を組んでろくでもない事をやらかしはじめるが、海軍は比較的まともであった。日独伊三国同盟、日ソ中立条約。教科書よりも時代の空気と共に描かれていて理解しやすい。軍部はロクでもないが日本への冷遇がアメリカの有色人種への差別心から。兵隊に駆り出されて酷い目に遭ったのに中立的な視点で描かれているのはすごい。聖書やゲーテを数回呼んだだけで覚えてしまう水木サンの非凡さよ。2023/12/28




