内容説明
目の前のプレーそのものよりも、記録に残された、あるいは書き残されたものがもつ、もうひとつの野球の魅力を人々は知っている。実現されなかった可能性を残して逝った沢村栄治、幻の盗塁王ビリー・ハミルトンなど幾多のプレイヤーたち。これはボールに命運を賭け、伝説となった男たちに贈る讃辞なのだ。日米野球エッセイ。
目次
神話を演じた男―山口高志
野性とライバル―一九六八年、江夏の挑戦
断念から始まる物語―守備の名手達
ボールよ、曲がれ―変化球の持つ魔力
記録の見方―幻の盗塁王ビリー・ハミルトン
伝説の生まれる時―沢村栄治と王貞治
禁じられた投法―カール・メイズ
挫折した才能のために―ハック・ウィルソン
スターと時代の物語―稲尾和久
捕手の原型―サイレント・プレイヤー
アメリカの悲劇―ジョー・ジャクソン
失われた天才―簑田浩二
二塁手の顔―スターを待つポジション
黄金のサウスポー江夏豊
語り継がれる物語―ホーナス・ワグナー
英雄譚としての記録―打率四割の神話
エースと呼ばれなかった投手―足立光宏
ピンチヒッター―高井保弘
フェンスの向こうのアメリカ―国技としての野球
書き替えられた伝説(黒人大リーグの光と影;“サチェル”ペイジ)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
山口透析鉄
9
これ、講談社版DAYS JAPANの連載時から読んでいました。 冒頭に出てくる豪速球投手、私は当時、英国ロンドンに5年ほど住んでいたので直接は見ていないのですが、山口高志投手がNPB史上、最速だったと言われている方は多いですよ。 実際の球速自体は大谷投手等の方が速いのでしょうが、当時はそれだけ突出していて打ちにくかったので余計にそういう印象が強かったのだろうと思います。 後半に出てくる、いわゆる米国のニグロリーグの記述も非常に良くて、佐山和夫氏の本も好きですよ。📚 野球ものとして、とても好きな本です。1992/06/04
渋谷英男
1
山口、蓑田、足立、高井の阪急ブレーブス選手コラム有り。黒人リーグとタイ・カップについて知りたくなった。☆42018/05/12