内容説明
陸奥湾に向かって大きく突き出した夏泊半島。自生椿の北限として名高い景勝地である。由緒ある椿神社を訪ねてきた男が毒死。男は刑期を終えて出所したばかりだった。雅楽部の合宿でやってきた江藤美香は、その男こそ以前訪ねてきた男らしいと知って驚いた。美香の実家もまた“椿神社”と呼ばれていたのだ。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
セウテス
45
内田先生の作品としては、10作品目となります。浅見光彦はまだ、名探偵として軌道には乗っておらず、信濃のコロンボこと竹村刑事や警視庁の名探偵岡部警部に対して、素人探偵を模索していた頃と強く感じます。本作では雅楽部の顧問和泉先生が、素人探偵に挑戦しています。伊勢から陸奥湾、夏泊半島を舞台に、北限といわれる椿を奉る椿神社に謎が始まり、なんとあの三億円事件に繋がる設定の意外さには驚きました。素人探偵の調査や推理法に、難しさを感じたために、浅見光彦の立場が必用とされたのではないのか、と勘ぐりながら読み終えました。2016/03/01
涼
9
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2018/06/post-29db.html2018/06/21
森林・米・畑
6
青森県の津軽半島と下北半島の間の出っ張り岬が夏泊半島。そこにまつわる事件。
ユキ
4
約18年振りに読んだが、面白かった〜。去る12月10日のあの大事件を少し絡めてるところもワクワクしてしまいます。笙や雅楽についても少し勉強になる。2016/02/10
ゆーや
4
自分が持ってる第2刷が93年12月発行でその時点で浅見光彦シリーズは60作って……!内田康夫先生恐ろしいです……!少しずつ素人探偵ながらも事件に近づいていく様子がおもしろかったです。探偵に必要な要素は「事実と仮説と勘」。2015/02/15