内容説明
ヨシツネに殺される…。佐倉財閥の跡を継ぐことになっている森川義行からの救いをもとめる、謎の電話。そして源義経の悲劇に符合する殺人事件が起こる。連続して起こる殺人事件の謎と、義経伝説、平泉の金色堂の秘密に挑戦する古美術研究家の名探偵・南条圭の推理。新考証で描く、傑作歴史ミステリー。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とも
46
★★★★義経北行伝説と中尊寺金色堂の謎解きですが、それに現代の殺人事件を絡めた推理小説の形態になっているが、相変わらず軽い筆致で読みやすく出来上がっている。解決の内容がどこまで本当であるのかはわからないが、少なくとも平泉の地にたちたくなる、そんな作品。2016/09/19
背古巣
38
学生時代の友人から紹介された作品。現代の推理小説だけど、奥州藤原氏と源義経にまつわる歴史が絡んでくる。はたして義経は平泉で果てたのか?はたまた難を逃れて北行したのか?事件の推理そっちのけで、私にはこっちの話題の方が面白かった。作者なりの考察が述べられているが、それがとても説得力があって、興味深かった。30年ほど前の作品ではあるが、歴史を語る部分が多いので、古臭さは感じない。面白かった(^o^)。2020/04/12
TheWho
24
「逆説の日本史」で異彩を誇る著者が描く、平泉の中尊寺金色堂に隠蔽された怨霊鎮撫の真相と源義経北行伝説が交錯する現代に起こった殺人事件を巡る歴史ミステリー。物語は、古美術商の主人公が、金色堂と一字金輪閣の配置の謎や金色堂に安置されている藤原泰衡、覆堂の実態等、そして義経北方伝説を絡めて、財閥相続に絡んだ殺人事件の真相を解明していく。著者真骨頂の怨霊信仰が占める歴史観が、金色堂の実像の真実味を帯び目からウロコの物語へと展開していく。歴史薀蓄満載の歴史ミステリー好きにはお勧めの一冊です。2016/04/11
ちばと~る
22
義経北行伝説と中尊寺金色堂の謎。それにまつわる密室殺人事件を名探偵・南条圭が華麗な推理解き明かす傑作歴史ミステリー。ミステリとしても面白いけど仏教の世界観や仏像美術のお勉強になるね〜。奥州藤原三代と源氏の因縁・・・藤原経清公の怨念も織り交ぜて欲しかったな〜ちょい残念2016/11/08
magic makky
16
現代のヨシツネが起こす殺人事件と鎌倉時代の義経は平泉で殺されたのか?を推理していくストーリー。 私は、鎌倉時代の義経の謎解きに興味を覚えた。それが事実なのかフィクションなのかは私にとってどうでもいい。南条の推理はきっと歴史学者から批判があったかもしれないが、一つの考えとして「いいんじゃない」と思ってしまう。過去に遡っていくことができない以上いろんな推理があっていいと思う。この作品で歴史に疎い私は、義経に興味を持った。2024/02/09
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