感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みなみ
2
図書館で除籍本をもらってきた。こういう出会い方もあるのか。大逆事件の時代に生き、ドイツにわたりナチスを批判した記者は、戦争中は弾圧され、戦後は読売大争議の中心人物となる。その後政治家に転身して釜石市長を務める。タイトル通りまさに反骨の人生。日本人はおとなしくて権力に従うと言われるが、こういう人もいるのだ。そして、こういう反骨の人物を圧殺してしまうのは、権力者だけでなく世間でもある…内容が濃くて読むのが大変だったが、とても力作。読んでよかった。2019/07/22
boya
0
生粋の革命家、鈴木東民の半生を多くの取材から紡ぎだした渾身のノンフィクション。「読売争議」を指揮し挫折したのちの色濃い政治人生を、現存文書やインタビューからいぶりだすように露にする取材方法は、東民のミステリアスな人物像を導きだすのに格好の手法だった。コミュニストである以前にヒューマニストだった彼の政治心情をつかむ一助となる重要な著作。2010/06/27