内容説明
エノケンがエノケンを殺した?昭和12年、浅草の人気劇団で起きた不可解な連続殺人。犯人として疑われたのは、人気絶頂のエノケンこと榎本健一。三重の密室とアリバイの壁が彼を追いつめる。エノケン、親友のロッパ、弟分のシミキンが複合トリックの謎に挑む傑作ミステリー。第35回江戸川乱歩賞受賞。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
coco夏ko10角
23
第35回江戸川乱歩賞受賞作。確か密室ものの特集で興味を手に。昭和12年、浅草のある劇場で公演中に舞台上で密室殺人が…。文章も作品の雰囲気も他の江戸川乱歩賞受賞作とはちょっと違う感じ。終わってみるとミステリより戦争が始まることによる娯楽に関することの変化が印象に。2019/04/07
東森久利斗
2
エノケン・ロッパの時代、狂騒の時代のギラギラしたエネルギーと躍動感、上から下までドタバタと国家あげてのきったはったの命懸け人生、大戦に向かう日本の暗い世相、浅草六区の喧騒、舞台・演劇界の活気、生々しいほどに時代の様相が伝わってくる。警察による検閲、外来語や風刺表現の禁止、国家権力が生活のなかに身近に存在していたことが恐ろしい。物語の幕間に語られる日本軍の進行の様子とと戦火の史実が、何ともいたたまれない。コメディアンの業と悲哀は、国家と日本人を象徴しているように思える。2025/10/22
如月光子
1
古きよき時代の浅草。脚本家のこの人、展開がよく浅草を懐かしむ気持ちで一杯に・・。
shiaruvy
0
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