出版社内容情報
島田 荘司[シマダ ソウジ]
著・文・その他
内容説明
嵐の夜、マンションの十一階から姿を消した男が、十三分後、走る電車に飛びこんで死ぬ。しかし全力疾走しても辿りつけない距離で、その首には絞殺の痕もついていた。男は殺されるために謎の移動をしたのか?奇想天外とみえるトリックを秘めた四つの事件に名探偵御手洗潔が挑む名作。
目次
数字錠
疾走する死者
紫電改研究保存会
ギリシャの犬
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tetchy
253
オイラは「疾走する死者」がこの中では好きだなぁ。だって銀河を駆けるが如く、エレキギターを掻き鳴らす御手洗が見れるもの。豪腕トリックもあるし。ところでこの表紙の右上に御手洗の顔があるんだけど、かなりコワイっす・・・。2008/09/30
散文の詞
186
-数字錠- 密室殺人事件が起こりますが、なんと中身はアリバイ崩しです。 タイトルがフェイクだとは。 -疾走する死者- 移動する死体の謎。なんと、読者への挑戦もついてますけど、これわかるか? 小説としての面白さは群を抜いてます。 -紫電改研究保存会- 詐欺師がどういう目的で、だましたのか? まあ、小説らしい展開でした。 -ギリシャの犬- 暗号解読。 この暗号、さっぱりわからないけど、説明されても、そういうものかって感じでした。 小説としては、読み応えありました。 2022/05/16
勇波
174
「数字鍵」やっぱり名作です。。その他の作品も御手洗さんの個性が存分に発揮されていて秀作揃い。読んで得したと思わせてくれるような一冊です★2014/08/31
シロップ
130
四編からなる御手洗の為人がわかる、それぞれが際立った短編集である。巻末の「御手洗潔の志」も一読の価値あり。「御手洗潔の挨拶」というタイトルがピッタリ! 年月が経過した今でも「御手洗シリーズ」に多くのファンがついてる事に納得。他作品とのリンクが多いのでどんどん読み進めて相関図を作らなければ❗次に読む作品を思い浮かべながら私も嬉しそうに両手のひらをこすり合わせた。2018/09/10
中原れい
119
面白かったー!大きな事件のあいまにはこういうこともあるよ、的な作品集なのは他の人と同じ。でもミタライと石岡のことがどんどんわかって、その点が嬉しいかもしれないね、ふたりとも案外語らないから。4つの事件それぞれ違う業界のばらばらな内容だけど、粒ぞろいに面白く飽きない謎解きにあふれていた。吉敷刑事のあの事件と似たトリックの「疾走する死者」や犬に夢中なミタライがかえって人間らしい「ギリシャの犬」が嬉しいけど、「数字錠」の叙情や「紫電改研究保存会」のおおらかな騙されっぷりも好き。つまりみんないいw2019/08/28