内容説明
昭和11年2月26日の未明、大雪の東京で陸軍皇道派青年将校が約1400名の兵を率いて「昭和維新」をめざすクーデターを決行。首相・陸相官邸・警視庁へ殺到した蹶起部隊と対峙する警察当局は…。国家の危機のさなか、要人警護に身命を賭し、重臣の盾となった警察官の苛烈な命運を描く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
しきぶ
6
2・26事件のさなか要人警護にあたり、その盾となった警察官たち。何人もの警察官が登場するが、誰もが当時のごく普通の警察官で、物語を読み進めるには特徴がなさすぎて誰が誰やら。そんな普通の警察官たちがそのときどう考えてどう動き、なぜ犠牲になったのか。事件の影に気概を持った警察官たちがいたということを知れてよかった。当時の警察と軍の関係性をあまり意識していなかったが、警官は専守防衛で軍隊は攻撃、天皇の軍という意識、警察官としての誇り、軍と警察の微妙な上下意識、などなど当時の情勢を考えると空気が分かりやすい。 2022/08/17
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