内容説明
私はただ私でありたい、と思って暮らしてきただけ。私のアートは、嵐の中を歩いた足跡みたいなもの、そのときそういう歩きかたをしなくてはならなかったから―。自分自身をこんなに率直に語れるなんて素敵!日本語で書かれた文章を中心にまとめたこの1冊、世界で1番多忙で有名な未亡人オノ・ヨーコの100パーセントをお伝えします。
目次
わが愛、わが闘争
日本男性沈没
母性社会の必然性
『女性上位万歳』
「家も政治も女と交代したら」
「未来…は未知数」
「先ず母親、次にアーティスト」
“女”
明日また行くんだ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Y2K☮
34
全体主義はいつの時代にもある(テレビをつければわかることだ。いやわからない人が多いからこそか)。個で抗う勇敢な戦士もまた必ず現れる。策略と暴力と成果至上主義ですべてを肯定しがちな男性中心主義に抗い、2001年秋にはアメリカ在住でありながら反戦を訴えた。あとヨーコさんは男を支配したいわけでも家事をしたくないわけでもない。男には男の苦しみがあると理解したうえで、だったらこちらの事情にも想像が及ぶでしょと問い掛けている。フェミニズムという枠に押し込めず「ただの私」である彼女のメッセージをフラットに受け取りたい。2021/12/21
meg
29
時代を先取った女。オノ・ヨーコ氏のジョンへの手紙みたいだった。2024/09/26
ochatomo
13
15年ぶりの【再読】 1973年「婦人公論」掲載“日本男性沈没”はかなり過激であり実は女性をも皮肉る内容だが、当時どの程度受け入れられたのだろうか? 今読んでも全く古びていない 男女とも大変で『肩を揉み合うことを忘れたら、おしまい』と“母性社会の必然性”に書く 彼女のシングル「女性上位万歳」(Youtubeあり、B面がいい←懐かし過ぎ)の制作話もあり、ジョンは仕事をする彼女の苦労を見て、心の底から女性解放主義になったのだそう 『ロックは下積みの人間のもの』 『女の武器はセックスではなく、覚醒と団結だ』2019/05/07
akarick777
9
誰になんと言われようと、こんなに自分に正直に生きる人を見たことがない!ぶっ飛んだ人、と思ったけど、「明日また行くんだ」で触れたジョンとの思い出の話では愛する男性を亡くしたひとりの女性の感覚が描かれていて、なんだかじーんとした。2020/07/11
うつぼ
5
貴族で、財閥家系で、アメリカで高等教育を受けた女性でなければ、世の中の「圧」に耐えうる精神の土台を築き得ないのではないかと思うと、日本で、というより、この世で女として暮らして行くのは、とても難易度が高いことなのではないかと改めて思い知らされる。オノ・ヨーコ、どれほど変な人なのかと以前は思っていたが、非常に常識的な、一方で、ものすごいアーティスティックなメンタルの持ち主。自らのアートを、自分がのたうち回った形跡だとし、青空の美しさに勝るアートはないと…。日本男性沈没、コラムも面白い。2017/08/08