講談社文庫<br> 下町の空

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講談社文庫
下町の空

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  • サイズ 文庫判/ページ数 259p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784061844186
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

内容説明

愛の波紋のさまざまを鮮やかに描く恋愛小説集。芸大で邦楽に打込む陽子は東京・築地川育ちの下町っ子である。先輩の新進演奏家との恋の行方を、青果仲買店「吉長」の暖廉に生きた祖父や、移りゆく町と人情への哀惜をこめて描いた表題作他、「舞台のあと」「青春の傷」「松の木の家」等、珠玉作9編を収録する。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

みなみ

7
Kindle読み放題。今回も染色や舞踊など芸術にまつわる職につく女性が主人公の作品があり引き込まれる。パリに住む日本人の短編も芝木好子のパターンの一つ。これは時代を感じる。表題作「下町の空」は冒頭の作品。こちらは珍しく(?)男性がメインキャラクター。青果の仲買店「吉長」の先代経営者の吉村清太郎が主人公。彼は高齢で、息子があとを継いでいる。「吉長」と屋号で呼ばれる彼には別宅があり、その女性のことを孫娘がつきとめる、という流れ。かつての東京の下町の情緒にあふれる作品である。2023/12/05

山内正

0
桂が幼児連れてこの土地に来て二十年 幼児は大学を出勤めに出ている 今日出来た小紋が気に入らない 三ヶ月前から村木と青年が遊びに来る 時に娘と言い争う事もある 男の家から人を介し結婚の申し出があり その時から気落ちをした 娘は佳い衣装染めてくれるかと思ったと 言ってきた 呉服屋が2つの反物を見せ盗作されたと 京の日疋先生が貴女の染柄には初々しさが 私は再婚したが一度は死別二度目は生き別れ もうこりごりと言った 京での暮らしは貴重だった 仕事の自信と新しい注文を日疋に伝えなければ 別の道を長く歩き過ぎたかと2023/07/05

山内正

0
紀州へ行くと出た娘がカメラを置いていく 友達と行くと電話で止めたと聞く 関わりのある男の大阪へ行くと 京都にいる信也が知っていた 二十年経って今なら出来るのにあの頃は何故に出来なかったのかと 相手は物を良く考える男だと印象を話す 妻を嫌い大阪に来たのに娘が追ってきた 疎水の道を歩いて来る母親の姿が 辺りに溶け合っていた この男の何処が良いのかと顔を見る 娘がこれ程無分別だと思いませんでしたと 詫びた このしっとりした女の深さに自分の生活を 比べてしまう この場に娘の成り行きを任す気になった2023/05/24

山内正

0
学会で東京へ友達と食事に店に入った 主人が挨拶に来て刺身を口に 美味いと言う 女将さんがお元気ですかと呼び掛け 女房が宜しくと返事する 弟さんなのかと 一年程身体の具合良く無くて病院に行こうかと呟く 上の兄が死にその受験の子供を引取り育て 兄に申し訳ないと人柄が出ている 修自は大柄な格好で 義父は勤人になりたければと言う 父は商売気がなくて新しい事に入らない 銀座の店をもっと大きくしてると話す 女友達がいて婚約しようかと 女優の卵は中年の男の車に乗って行った 父の病院へいる間店手伝うかと修自が言った 2023/05/01

山内正

0
井出良子さんのお宅ですねと若い男が 藤沢の息子と名乗る 月に2度母は苦しんでいると 貴女もお母さんに聞いて欲しいと立ち去る この一年母は生き生きとしてた 露子は十も違う杉山と見合いしドライブに 昔の女ですから夫に先立たれどうして良いかと杉山の親に話しかけた 箱根の母の行く会館を聞くともう無くなり と地元の人が話す あの旅館と指をさし七年前に従兄妹が心中した 私の許嫁でしたと お母さん追い掛けてどうするのと呼び止められ 家の事調べて今更否なら断ればいい お母さんの事はもう済ましたと杉山が 二三日前に会って 2023/04/20

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