内容説明
ここにはキリストが様々な姿で出てくる。それぞれの画家がそれぞれの思いの中で、一番描きたかったキリストなのであろう。信仰であろうか。美学であろうか。受胎告知に始り、十字架、復活、そして最後の審判に至るまで、ラファエルロ、レンブラントなど世界の名画44点と、エッセーでたどった、「キリストの生涯」。
目次
受胎告知
キリストの降誕
羊飼いへのお告げ
三博士の礼拝
神殿への奉献
エジプトへの避難
幼児虐殺
洗礼
荒野の三つの試み
聖ペテロとアンデレの召命
聖マタイの召命
カナの婚宴
サマリヤの女
海の上のキリスト
カナンの女の治癒
パンと魚の奇跡
キリストの変容
羊と山羊を分けるキリスト
貢の銭
放蕩息子の喩え
ラザロの復活
エルサレム入城
神殿を清める
主の足を拭う女
弟子の足を洗う
最後の晩餐
ゲッセマネの園の祈り
ユダの接吻
ペテロの否認
ピラトの審問
笞打ち
キリストへの嘲笑
十字架の道行
磔刑
ピエタ
キリストの埋葬
黄泉の国のキリスト
復活
墓を訪う聖女たち
ノリ・メ・タンゲレ(我に触れるな)
エマオでの夕食
奇跡の漁り
聖霊隆臨
最後の審判
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
田園の風
10
キリストは十字架にかけられた後に復活するが、弟子達はその超人的な事実から、初めてイエスを神の子と信じ、キリスト教の布教に勤めたのだという。神の子であれば自己利益があるから信じるに値し、神の子でなければ自己利益がないから信じないのだろうか?宗教はその教えだけではなく、その非科学的な伝承も含めて信じる。宗教とはそういうことなんだろうと思う。2016/11/17
ロマンチッカーnao
10
キリスト教の絵画にのっとり、キリストの生涯を描いている作品。その絵画を眺めるだけでも価値のある本です。しかし、キリスト像に関しては、僕は遠藤周作さんの描く作品の方がしっくりきます。2015/03/15
bluemoon
8
キリスト教の勉強はしたいと思いながらも 心のどこかで その世界はやはり しっくりこないものがある 著者もかいているように 私たち日本人とまったく違う精神的風土だから 当然だ。 しかし、絵画にしても 聖書にしてもそんな世界があるんだと 【知る】ことは心が満たされる。 2021/08/16
Tibe
7
「あなたはイエスを神の子キリストと崇めるか、崇めないか。これこそは、私たち人類にとって最大の問題なのだ。とにかく私は崇める。イエスこそはまさに神の子キリストであると。」作者にここまで言わしめるキリスト教根源のパワーに圧倒される。私自身は信仰を持っているわけではないが、折に触れて宗教の底知れぬ何かと対峙すると、無碍には出来ないものだと思う。と同時に、安易に足を踏み入れて良いものなのかと躊躇いが生じてしまう…。とにかく、宗教は信じる者がいて初めて成立するということを本書から学んだことは確かである。2021/03/11
moonanddai
6
クリスマスも間近ということでおさらいの意味をこめて…W。聖書を読むとき、その書かれていること、矛盾も含めてすべてを信じるというと態度が、いわゆる信仰ということなのでしょうか。2016/12/17
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