内容説明
明治時代の中頃、海外雄飛を夢みてシンガポールに渡り、女郎屋を開業。その後セレベス、フィリピンにも拡張。女を売るのも国のためと称して、日本から数多くの娘をつれだす。何人もの現地妻をもち、人喰人種トラジャ国の王妃とも結婚。日露戦争時には各地に愛国婦人会を組織―明治ナショナリズムを体して行動した村岡伊平治の破天荒な自叙伝。
目次
第1編 南支時代(香港へ渡る発端;船員生活;上海での体験;厦門に上陸す)
第2編 新賀坡時代(生活安定の道;視察旅行;日本人会の組織化にむけて;シンガポール各地の開懇;学生と前科者の世話)
第3編 セレベス時代(マカッサーでの生活;拙者、国王となる;新たな事業経営)
第4編 マニラ時代(マニラ上陸後の事業;愛国運動にむけて;多忙きわめるマニラ生活)
第5編 レガスピー時代(パラカレ村にて;レガスピーでの殖産事業;商売と息ぬきと;日本とマニラとの間で)