講談社文庫<br> 1812年の雪 - モスクワからの敗走

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講談社文庫
1812年の雪 - モスクワからの敗走

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  • サイズ 文庫判/ページ数 262p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061834460
  • NDC分類 235.06

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シャル

7
ナポレオンのロシア遠征とその失敗の原因を、時系列と資料を元にエッセイ風味に書き連ねていく。とにかく問題はそのロシアの広さであり、ロシアの大地そのものなのである。元々低かった士気に加え、焦土作戦や伸びきった戦列に兵站は破綻し、さらには気候も冬の厳しさだけではなく夏も埃と暑さと渇きが襲いかかり、戦う前から兵隊は摩耗していく。そしてたどり着いたモスクワで軍隊は軍隊としての規律を失い、皇帝自身も無駄な滞在で敗北を決定づけてしまう。ロシアでは軍隊と戦うのではなく、大地と戦うのだというのを思い知らされる一冊。2014/07/24

櫻井愛

6
ナポレオンのロシア遠征とその退却行。モスクワに入ったものの冬将軍に勝てず、元来た道を戻るはめになる大遠征軍を軍医や軍曹などの手記を通して追っていく。コサック騎兵の神出鬼没っぷりがすごい。2025/03/23

鐵太郎

1
国民に熱烈に支持され崇拝された軍人英雄というと、世界史的にはまずナポレオンの名が上がります。冬の寒さという季節的なこともあり、昔別なバージョンで読んだ本をもう一度読み直しました。47万人の半分以上が往路だけで晩夏の平原に解けていった悲惨なロシア遠征と、その末路。兵士が子供を蹴落とし、女を馬蹄にかけ、その馬を食べ、はては人肉食まで行い、そして死んでいった凄惨な遠征の中で、ナポレオンは最期まで白パンを食べ飽食していたという。英雄とはそういうものか。読んでいて心が寒くなった本でした。2014/12/27

カキモトのおでん

1
兵站で失敗したときの戦場の話。撤退戦の困難・非戦闘員の同行・落ち武者狩りなどの具体的様子が味わえる。ナポレオンが失敗するだけで全軍が負けるあたり、組織としての弱さを感じる。夏将軍が出てくるとは思わなかった。ネイが長坂の戦いの張飛の様だ。2013/09/06

itosan04

0
トルストイの「戦争と平和」でも描かれた、仏軍ナポレオンのロシア敗走劇を日本語で一番生き生きと読めるのは本書ではないか。作者の両角さんは知らなかったけど、かなり異色の経歴だったようだ。最後の橋の攻防などは、つい沖縄戦における沖縄市民たちの悲劇的な運命を思い出させてしまう。牛島、長勇などの陸軍上層部とナポレオンの無責任的な姿がダブってしまう。いずれにせよ戦争とはなんと無駄な悲惨なものかが誰の目にも明らかに感じられる一冊。2016/01/07

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