内容説明
昭和20年5月26日。戦局が悪化するなか、武者滋は死を覚悟して夜間戦闘機「月光」に乗り込んだ。激しい空中戦を、負傷しながらも何とか乗り切ったその矢先。視界が開け、見たこともない風景が目の前に広がった。途端、記憶は途切れる―そして目が覚めたとき、そこは、なんと平成19年6月の厚木基地だった。62年の時を越えてしまった武者を待ち受けるものは。
著者等紹介
内田康夫[ウチダヤスオ]
1934年、東京都北区生まれ。コピーライターなどを経て、1980年、自費出版で『死者の木霊』を発表。この作品が、「朝日新聞」の読書欄に取り上げられ、自費出版としては異例の注目を浴び、鮮烈なデビューを飾る。その後、『後鳥羽伝説殺人事件』で、後に国民的名探偵となる浅見光彦をうみだし、押しも押されもせぬ人気推理作家となる。浅見光彦シリーズは『棄霊島』で光彦100事件目を迎えた。また、同シリーズはドラマ化もされお茶の間でも人気の存在に(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よむよむ
31
内田さんが“靖国問題”について主人公の口を借りて熱く語っています。この問題について何か意見できるほど、私が知っていることは多くありません。この本を読んでわかったことがいくつかありましたが、やはり内田さん個人の想いが強いように感じました。公正な目で靖国について考えるには、もっとたくさんの資料が必要でしょう。ただ、靖国神社には以前から行ってみたいと思っていたので、この本を読んで絶対に行かなくてはとの思いを強くしました。『こんな病んだ社会を護るために、かつて、若者たちが命を賭して戦ったわけではないはずだ。』2011/08/31
来訪者
10
とかく8月頃になると急に聞くキーワード靖国「問題」についての物語。、、、秀逸ですが平常心では読めずレヴューを書いてる今も正直放心状態です。私は戦後30年以上経過してから生まれているので当然太平洋戦争については資料で読むほどしか知りません。学生時代も近代史について殆ど教師が教えたがらなかったような印象がありますし、判断する基準すら持ち合わせていません。しかし特定の時期にだけ議論するにはとてつもなく大きい存在なのではないでしょうか。せめてもう少しでも国民レヴェルでの議論があってもいい様に思います。2011/10/10
ノラネコ生活
8
タブー視されている靖国問題に深く切り込んだ意欲作。 タイムリップものだと特攻隊のパイロットが主人公かなと思ったら、戦時下の首都防衛をしていた月光のパイロットを主人公にしたのは意表を突かれた。 靖国神社は政治家や海外で問題にしているが、実際にどこが問題なのかが普通の日本人ならば理解できない話である。 正月に初詣に神社に行き、彼岸やお盆で先祖を伴うために寺に行き、年末にはクリスマスを祝う日本の宗教観から考えると靖国だけが問題なのは疑問だらけ。 作中で滋の恋人でもあった有美子が靖国論には納得してしまった。2011/09/30
ビスコ
7
靖国神社にまつわる様々な意見。それを、靖国に祀られている英霊自信に見させ、語らせる。そんなテーマもさることながら、とにかく物語の勢いが凄い。冒頭どころかあらすじから、「これは絶対面白い本だ」と思わせられた一冊。とてつもなく重く複雑なテーマを、重さを無くすことなくコミカルに仕上げた腕前は流石大御所。 靖国神社とはなんなのか、それにまつわる諸問題はなんなのか、それを考えさせられる。 テーマがテーマだから難しいかもしれないけれど、個人的には漫画化してほしい一冊。2016/06/02
たか。
6
「昭和20年、海軍厚木基地。夜間戦闘機「月光」で出撃した武者滋が、命からがら帰投した基地は、2007年の厚木基地だった--。 」主人公の武者中尉の言葉には共感できる部分がたくさんありました。靖国神社については偏った報道しかされないので、靖国=軍国主義って思っている人達がたくさんいると思う。この作品は非常に読みやすいので、是非そういう人達に読んでもらいたい。敗戦によって日本人が失ってしまったものは何だったのか、少しわかったような気がしました。2011/06/10
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