講談社ノベルス
死都日本

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  • サイズ 新書判/ページ数 444p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784061825611
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0293

内容説明

20XX年、天孫降臨伝説で有名な宮崎県の霧島火山に噴火兆候が現れる。普通の火山活動と思われたそれは、やがて驚くべき霧島の正体をあばきはじめた。高まる緊張。募る不安。そして迎えたXデー…。多くの人々の災害観を圧倒的な筆力と、怒涛の論理展開で覆し、火山学者に激賛された第一級のクライシスノベル誕生!第26回メフィスト賞、宮沢賢治賞奨励賞、日本地質学会表彰受賞作。

著者等紹介

石黒耀[イシグロアキラ]
1954年、広島県生まれ。京阪神に育ち、宮崎医科大学(現宮崎大学医学部)に進学。そこで生物と地学の関係性に深い興味を持つようになる。2002年、南九州のじょうご型カルデラ山の破局的大噴火をシミュレートした地学小説『死都日本』(第26回メフィスト賞、日本地質学会表彰、宮沢賢治賞奨励賞)でデビュー。その後も精力的に執筆を続け、2004年には東海地震をテーマにした『震災列島』(日本地質学会表彰)を、2006年には富士山噴火と火山神神話をテーマにした『昼は雲の柱』を上梓(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

くみこ

18
"破局的噴火"が霧島から始まり、九州南部は壊滅状態。日本ばかりか世界にとっても大打撃を与える非常事態に、政権交代を果たしたばかりの内閣が出した結論は、という緊迫したストーリーです。火山や地質・地形はもとより、経済学や世界情勢を盛り込んで、火山活動を日本やギリシャの神話、ヨハネの黙示録とシンクロさせるなど、膨大な知識が溢れます。噴火の場面は体験したかのような迫力でした。気になったのは、歴史上、「踊狂(ようきよう)現象」の後に大災害が起こる事実。オリンピック後、大丈夫でしょうか。2019/06/06

kk

17
図書館本。九州は宮崎の霧島火山が大爆発(ホントの大爆発)を起こし、九州一帯は言うに及ばす、日本中がとんでもない災厄に見舞われてしまうという怖いお話。火山屋さん系のオタク的な知見が随所に散りばめられ、読み易くはないけれど知的好奇心をいたく刺激されるほか、ストーリーのリアリティと奥行きを醸し出しているような。それだけに怖さもひとしお。読んでて動悸がしそうな展開が続きますが、フィナーレは絶望感だけではない感情で読み終えることができました。2023/02/03

ばー

9
第26回メフィスト賞受賞作。初めて読む本格的なディザスター小説。もしも九州で超大型火山災害が発生したら、というif。圧倒的な災害描写はもとよりすばらしいが、この大前提のifに地質学、火山学、果てには経済学、歴史学まで取り込んだ緻密なシミュレーションにはただ圧倒される。門外漢にとっては、その説得力と迫力にページをひたすら繰ることしか出来ない。作者は結で、現状の日本の歪をクリアにする解を提示する。政治家さんに読んでもらいたいと純粋な好奇心。面白い。2017/01/15

sakichi

8
火山、地震から聖書、神話、経済までいろいろ詰め込まれているが、全部本筋に繋がっているので、嫌じゃない。そしてとてつもなく怖い。スガワラの演説が現実社会であったらどうなるのか・・・2015/05/26

マギカ鍋

7
霧島火山が破局的噴火を起こす。状況は驚異の速さで悪化し死者は時間の経過とともに百万単位で増加。古事記や聖書の黙示録の描写が噴火と符合する時、皮肉な教訓を語り始める。学会の表彰も受ける話は専門用語も満載だが圧倒的。火山活動の巨大な力には改めて圧倒され火山灰の様々な弊害にも震え上がる。誰もが見た火砕流はその脅威を全く伝えていなかった事も知る。これほど地質的活動が活発な島に国を作り、さらに多くの原発を作るなど狂気の沙汰かも。しかし文明が何度でも強大な自然と向き合い築かれてきた事をラストは語っているようでもある。2013/04/08

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