内容説明
大学生の秋月昌平は墓参りに行った霊園で、瀕死の男に遭遇。その男は片言の日本語で「コレをダイトウリョウに渡してほしい」と言い残して昌平に鍵を託す。日本と韓国の間に渦巻く陰謀に巻き込まれた昌平の身にふりかかる危機!本作で第33回メフィスト賞を受賞、韓国翻訳版も同時刊行した新進気鋭の作家がおくる国際派ハードボイルドサスペンス決定版。
著者等紹介
森山赳志[モリヤマタケシ]
1971年、福岡県生まれ。大学を卒業後、数々の仕事を経て、作家業を開始。2005年、第33回「メフィスト賞」を『黙過の代償』で受賞し、デビューとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
色々甚平
10
日韓を舞台にしたサスペンス。娯楽性と社会性の両立を目指したようだ。たしかにお互いの要素が出てくるのだが、そのせいでどっちつかずで面白さが薄まっているようにも感じた。日韓というと舞台が広いようだが、お互いのキーマンのみが動き回るので影響としては国全体に出るのだろうが、話では数人が走り回ってるだけなので、そこまで緊張感も伝わらなかった。韓流ブームの最盛期くらいで発売されたので狙った感もあるのだが、日韓同時発売なので向こうの感想も見てみたいとは思う作品。2015/08/14
アツシカ
6
うーむ。この手の作品は発売当時に読まないといけないのかな。どうにも実感がわかない。僕は知識も乏しいしその上実感が伴わないとなればこの作品の出来不出来を判断することさえ難しいわけで。こうなると結局自らの不明を恥じるしかない。無念なり2018/01/21
閲覧室
4
瀕死の男に託された鍵を韓国大統領に届けるべく主人公が奮闘する話。日韓問題に触れつつ、韓国人の日本人観をマイルドに描写している。一介の大学生が危険をおしてまで依頼をこなそうとするに至る動機付けが弱く物語に入り込みづらかった。その他にも、果たして必要だったのかと思ってしまう後見人のエピソード、ハードボイルドと呼ぶには甘過ぎる登場人物達のキャラ造形、唐突に挿入される謎の思想etc…首を傾げたくなる点が多い。メフィスト賞らしくないメフィスト賞だったから点が辛いのだろうか。とても妙な読後感に困惑している。2011/02/08
一条
3
昌平が蔡に会うぐらいまでは面白かった。場面の切り替わりが不自然で時間が飛んでいるのではないかと何回か思った。2025/08/02
アレ
3
大学生と大統領・日本と韓国という異質なものが絡み合っていく話なのに、いきなり大学生と同じぐらいの軽いノリで大統領が出てきて戸惑った。日韓関係をよくしようというお題目にリアリスティックな力がこもっていない。社会と娯楽のバランスとか考えないで、思い切りどちらかに絞ればよかったのに。天皇の言葉なんかで総括されても知るかって感じ。2010/08/17