内容説明
地獄絵図を写実的に描くため、「地獄衆」という名のバイオニックモンスターを創造した極道・十束虎之介。彼は地獄衆を使い殺戮を行う一方で、人造人間・ルシフェルを絵の題材にするため、山鹿百合子を襲撃。愛する女性を襲われたルシフェルは百合子を守るため地獄衆との戦いに挑む。だがそれは日本を地獄と化す想像を超えた死闘であった。
著者等紹介
中島望[ナカシマノゾム]
1968年生まれ。1999年、『Kの流儀 フルコンタクト・ゲーム』で第10回メフィスト賞を受賞しデビュー
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感想・レビュー
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誰も悪くないこれは悲劇や
2
人体改造されたフリークスたちが主人公に惨たらしく殺される。ただそれだけの小説であり、ただそれだけでしかない所が何より素晴らしい。辛うじて保たれていた物語の皮すら失われ、剝きだしでぶつ切りの暴力だけが、目の前に山と積まれており、前作にあった恋情や激情すら、埋もれ見えない。どこまでも暴力のスケッチであり、それ以上でもそれ以下でもない。作中で語られる「地獄絵図の写生」こそが、この小説の正体なのでしょう。意味を削ぎ落とし、ただそれだけでしかなくなったもの。最早、醜くも美しくもないもの。機械、道具、刀、暴力。傑作。2017/07/13
無謀庵
1
「十四歳、ルシフェル」とか「Kの流儀」あたりを読むと、激烈なアクションの皮一枚下に何か別のものが流れているような作風なのかなあ、と思えるんだけど、「地獄変」には前作であったそういうものが一切なく、主人公の怒りも悲しみも消し飛ばすように、ただただナンセンスに、むやみに悪趣味なフリークスと、ひたすらバイオレンスが繰り広げられる、本当にそれだけで深みとか一切ない。変な笑みを浮かべながら一気に読みきってしまって、ただそれだけで終わる。痛快なだけ。他には何もない。最高だ。2016/01/08
aikawa
1
前作から方向を誤ってグロがメインの作品に。。。切なさが無い!緩急つけにゃダメじゃ!2012/02/19
お人形
1
敵キャラの滅茶苦茶さが売り?の中島先生ですが、今回は「いくところまでいったな」という感じ。阿修羅には爆笑した。俺たちの戦いはこれからだ的なエンディングは残念。2012/04/22
雨宮
1
結構男性向けに感じた 菊地秀行にSF色を強くしたみたいな2011/05/18