内容説明
「ぼくの鼻は、イヌの鼻!?」殺人者の襲撃に遭い、頭部を強打された後遺症で“匂い”を失った「ぼく」こと片桐稔は、その代わりに凄まじい“嗅覚”の世界を獲得する。この尋常ならざる異能を用いて、殺人者に殺された姉の仇を討つことはできるのか?「このミステリーがすごい!」2001年版第4位に輝いた傑作、ついにノベルス化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
:>Luna
4
これはすごい。殺人犯に襲われたことをきっかけに普通のバンド少年が犬以上の嗅覚に目覚め、匂いだけで殺人犯にたどり着くお話。と聞くとあまり興味を持たないかも知れないが、井上さんの設定の緻密さと文章力が650ページもある物語をすぐに読ませてしまう。特に好きな場面は初めて働く料理屋の皿洗いで、匂いを頼りに何種類もある皿から板前の希望の皿を出し、食べたこともない料理を完成させてしまうところ。ラバーソウルもすごく良かったしはずれもある分、大当たりもある作家さん。映像化しやすそうな作品だなぁ2016/05/19
o6guremi
4
図書館での借り本。事件に巻き込まれ頭部外傷を負った主人公が目覚めると犬以上の臭覚を持ち、それも視覚としてみることができるようになっていた・・・主人公の戸惑いながらも受け入れ、それを生かそうとする過程、大学教授の話、その間に挟まれる事件と分厚いページもそれが嬉しいと感じるくらい面白かった。最後はちょっとあっけないようにも思えるが・・・目で見える匂いの表現が綺麗で見てみたいなぁ・・でも、世界に自分だけ、共有できる他者がいないのはひどく寂しいかもしれない。2014/08/03
fengui
3
匂いが見えることになった主人公。分厚さに驚いたけれど面白くってあっという間に読み終えた記憶が。
mari
2
すっごく面白い!読んで数行でいきなり物語の世界に引き込まれるのはさすが!発想も凄いし、登場人物も嫌みがなく感情移入楽々。井上夢人大好きだー♪♪プラスαノベルスは上下段に分かれているので読みやすいのも好み〜2011/01/25
ペーパーピーポー
1
視覚や嗅覚を文章で表現しているので、どうしても説明が長くなってしまう。それを差し引いても面白い。想像力を掻き立てられる秀作。2023/12/14