内容説明
人種と性別が綯い交ぜになった五人分のボディで構成された肉体を持つ男、三溝耕平が新世紀の東京に舞い戻るとき、終末を告げる喇叭が鳴り響く。左右対称の鏡人間、脳内に潜むハルトゼーカーの小人、アパートの軒下で暮らす透明な子供…。耕平とその元恋人の研修医・福山さつきが遭遇する奇怪な人物と事件があぶり出す東京の真実とは!?現代の語り部、大塚英志があの「世紀末」に捧げるもうひとつの黙示録。
著者等紹介
大塚英志[オオツカエイジ]
1958年、東京生まれ
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶっくlover
7
こんな終わりかたの話も有りかもしれない。2019/08/15
鳩羽
6
昭和は終わらず世紀末は来ず。移民の流入で多国籍な人種が溢れる東京で行われる、あやしげな手術。紛れ込む人間以外の移民たち。イメージアルバムの楽曲しか知らなかったので、こんな話だったのか!という驚きと、九十年代っぽくて懐かしい!というノスタルジーすら感じた。仰々しくおどろおどろし出来事を積み重ねて、最後にあっけらかんとそれが誰かへの愛情のためって言い切っちゃうの作品に最初に触れた時、救われたような思いがしたものだ。2014/12/30
眠る山猫屋
6
『終わってないじゃん、世紀末』 帯にあったそんなセリフが素敵だったなぁ。 世紀末をスンナリとは乗り切れず、どこかズレ込んだアナザーな東京が舞台。五人で行方不明になり一人になって(!)帰ってきた三溝耕平と、その元恋人さつきのチグハグな関係が切ない、否、切な過ぎる。ふたりを取り巻く事象はと云えば、相変わらずの大塚節で、有史以前から地下に住む民や、脳に寄生する小人、脳を食べてもらう被害者などなど… けっこう面白いなぁ!2011/09/21
suisen
4
【★★★★】表紙に引かれて手に取った一冊。五人分の身体を持つ耕平と元恋人のさつきが出会う奇怪な事件。鏡人間、脳内に潜む小人、地下に住む透明な民、見えないところに異常なな存在が息づいている、そんな世紀末に取り残された東京が気に入っていただけに最後のオチはなんともいえない読後感。キャラクターはみんな魅力的で、特にさつきに感情移入すると、耕平との関係とか、あかねへの嫉妬とかなんかもうつらくて切なくて、だからこそラストシーンの耕平の言葉には救われたような気持ちになった。でももっと二人の日常を見ていたかったな。2015/03/30
バグマン
3
ものすごい荒唐無稽さ。これが大塚氏が「キャラクター小説の作り方」で言っていたことの実践というわけか。近未来、無国籍、サイコホラー、漫画的ギャグといった要素満載の、まさにジャンク小説。その底にボディ(記号としての身体=死体)というテーマがある。主人公の耕平は戦地で一度死にかけ、五人の身体をつなぎ合わせるとこで復活した。このいともたやすく身体を切り離したりくっつけたりするところが、漫画的表現に対する自己言及なのだろう。地の文のいらんところにまで政治や社会に対する皮肉が出てくるのは大塚氏の悪い手癖なのでご愛嬌。2014/05/13
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