内容説明
青春は美しくない。私の場合もそうだった。二年B組に現れた転校生。校内で発生した密室。それらを起点として動き出す、不可解な連中。コスプレを通じて自己変革する少女。ぐちゃぐちゃに虐められる少女。人間しか食べられない少女。ドッペルゲンガーに襲われた少女と、その謎を追う使えない男。そして…予言者達。私は連中の巻き起こす渦に呑まれ、時には呑み込んで驀進を続けた。その果てに用意されていたのは、やはりあの馬鹿げた世界。…予言。あの時の私は、それで何を得たのだろうか。ま、別に知った事じゃないけどさ。
著者等紹介
佐藤友哉[サトウユウヤ]
1980年生まれ。北海道在住。高校卒業後、社会に出たり出なかったり。2001年、『フリッカー式鏡公彦にうってつけの殺人』にて第二十一回メフィスト賞を受賞
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感想・レビュー
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とら
48
小説って、何か得られるものがあると思う。でもこの小説で得られることは、現実を知らしめることだけ。でもそういう小説って必要だと思うんです。明るい、良い部分だけを抜粋して描写したとして、でもそんな中にもつらい部分とか絶望する所とか絶対あるんです。だから、逆に暗い、悪い部分だけを抜粋した小説も存在する。それがこれです。まあ、この作家さん好きなんで個人的には最高のエンターテイメントでしたが。もう、ずっと読んでいられると思う。ただ、気分はどっちかというと最悪。でも読まされるんだよなあ。文が面白くてw次も楽しみです。2012/02/18
藤月はな(灯れ松明の火)
23
ちょびっつのコスプレカバー版で再読。高校受験の際に精神的にお世話になりました。「虹色のダイエット・レモンコカコーラ」で転換期を迎えた佐藤友哉の露悪的な視点がもう清々しいです。自分の立場を分かっているがゆえにコスプレでなければ自己変革できない子や自分の罪に無自覚で自己弁護して生きてきたカニバリズム少女、教室でのヒエラルキーがリアル。再読して所々にCLAMPやマニアネタが盛り込まれていることが分かりました。やっぱり、同人誌馬鹿(BY 創二)でプライドにしがみ付かずにゴーイングマイウェイな稜子姉さんが好きです!2011/10/05
がらは℃
23
物語が物語を覆い尽くして行く、その物語をまた物語が覆い尽くして行く。題材やトリック(?)は面白いけども、表現が気持ち悪すぎて読感が悪いのがなあ。。。2010/12/04
みなみ
20
複数の登場人物の視点から描かれる生活は、悩みを抱えている。一人は人間しか食べられないようになっていて、一人はドッペルゲンガーに襲われ、一人はコスプレを通して自己変革している…。ぶっ飛んだ内容に着いていくのが精一杯だった。ミステリーとして、謎が解明される部分もある一方、分からないままの部分もあって、モヤモヤとしたまま読了。2024/03/03
きゅーま
9
預言者鏡綾子の高校生時代のお話。密室殺人にドッペルゲンガーに吸血鬼に預言者に人喰いに殺し屋!超バカミス!「フリッカー式」で回収されなかったフラグがこんなところで生きてくるとは…! 細部が全体を形作る形式のストーリーなので読むのがちょっと疲れますが面白かったです。シリーズの他の作品も読みたいと思います!2011/02/04




