内容説明
切断された女の首は、巨大な人面疽のように腹に埋め込まれていた!深町警部補はギリシア神話に出てくる女面鳥体の怪物ハーピイと死体の関連を天才舞台演出家に訊くが、彼は「ハーピイには姉妹がいる」と第二、第三の惨劇を予言した。凶行の残虐、手口の大胆巧妙。残忍酷薄な殺人劇は終幕に貌を一変させた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小物M2
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これは前々から読みたかった作品なのである程度期待値を上げて読んでいたら思っていた以上の秀作であった。ホラーというかサイコものと本格ミステリが見事に融合しており、個人的にはまさに理想的な形だと云えるかもしれない。首を切断され、引き裂かれた腹に埋め込まれている死体、というあまりにも猟奇的な事件の裏に隠された意外な真相が実に秀逸。ある意味猟奇的な事件を逆手に取ったような構図とミスディレクションに感心した。そして、最後の最後に明かされる動機も強烈で犯人の狂気がより一層に強調されている点が素晴らしい。2014/05/13
月と星
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★★★なぜ死体の内臓を出すのか。
野乃子
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やや細部の回収が甘い気もするけど、途中でだれることなく楽しく読めた。 綺麗な回収が難しいほど細かく散りばめた描写の罠や仕組みも楽しい。 主人公の刑事がミスリード役で、その友人の変わり者が探偵役というオーソドックスな構図だけど、その探偵役の影がやや薄い気が。 コクのあるキャラだったけどシリーズなのかな。 その探偵の名前が荒俣宏さんの初期の筆名と同じなんだけどこの因果関係はなんだろう……作中の探偵は低身長で漫画嫌いとか、異なる設定も多いように感じるし……わざと対極にしているってほどかけ離れてもいないし。2019/12/05