出版社内容情報
【内容紹介】
父と母を人間に殺され、人間に復讐の牙をとぐジャガー“バギ”。射撃の腕を買われた麻理夫は懸賞をかけられたバギに対決を挑む……。南米を舞台に、人間と動物の憎悪、理解を描く「大地の顔役バギ」ほか、4編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばー
2
「大地の顔役バギ」、「緑の果て」、「熟れた星」、「山棟蛇」、「出ていけッ!」の5作収録。どれも面白い。「緑の果て」は別バージョンなのね。個人的には「山棟蛇」が好き。空虚さと薄汚さが混じった荒廃的な雰囲気が好きです。2012/06/24
松田望
1
動物と人間のそれぞれアウトサイダー同士が、より悪いものと対決するというシリーズもの。似た運命を背負っているものは種を越えて共感できるという手塚氏独特の動物観。 併録作『緑の果て』 種子を植え付け子孫を増やそうとする植物の惑星に不時着した人間、主人公を本当に好きになった植物のとった行動は…… 人間は自分がよかれと思ったことを相手にしがちだが、本当に好きな相手なら意を汲んだ優しさをかけてあげることができるのだろうか。優しさというより想像力の問題かもしれないけれど。2014/06/10
山口康隆
1
3千億ドルの遺産がかかったロザリオを持つジャガーのバギと彼を仕留めようとする日本人、だったがバギの母親の毛皮で作った帽子をかぶるとバギとテレパシーでやりとりしたふたりの間には奇妙な絆が生まれる。未完結の表題作ほか短篇4つを収録。表題作は未完だが第5話で無理のある展開で迷走している感じ。短篇の「緑の果てに」は『SFファンシーフリー』の同題の6年あとに描かれた別バージョンのような感じの作品。2012/01/02