出版社内容情報
【内容紹介】
“男”は妻を亡きものにすべく、家庭用の調理ロボットに、つぎの料理の材料として妻のデータをインプットしはじめた……。表題作“サスピション”をはじめ、深く病んだ現代文明の病巣に、鋭く切りこむ傑作短編集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
74
昭和43年から昭和57年までに掲載された短編が収録されている。後書で手塚治虫本人が書いているようにドライでさめた作品が収められている。その中では、「インセクター」2作品は、手塚治虫の小さい頃からの昆虫好きが結実したような天才昆虫採集家を題材とした作品で、もう少し描き続けられたら「ブラック・ジャック」のような傑作になったのではないかと思う。手塚治虫の持っていたサスピション(疑惑、不安)な一面を見る作品集だ。2022/01/17
みう
7
手塚先生があとがきで、ドライでさめた作品を集めてみました…と語っている短編集。9作品のうち、特に印象的だったのがこの4作品。 『サスピション ハエたたき』妻を料理の材料としてロボットにインプットする夫…ああ〜妻目線だと理解してもらえてない悲しさがつらい! 『インセクター』ロマンと儚さ…虫好きの先生らしい作品ですね。 『山の彼方の空紅く』強い気持ちで頑張っている家族…最後急にぐっとくる〜! 『おそすぎるアイツ』どんな話かと思いきや…こういうオチ、好きなんだよなぁ〜 まだ読めていない短編集を読みたくなりました2025/08/24
K K
4
これは怖い。フランス映画のサスペンスにもありそう。背筋が凍ります。すごい! 手塚治虫が夭逝したことがなんとも惜しい。もっともっと生きてたくさんたくさん書いて欲しかった。2017/06/03
kadocks
3
kindleで安売り90円とな。安すぎる。今年は全作読みに挑戦してるが久々の手塚作品。青年誌中心の疑惑もの短編集。一つ一つの作品が濃く、短くても骨太で良い。特に最後の「料理する女」がビックコミックオリジナル掲載でさすがビックコミックらしい作品。オチも不穏でさすが。「インセクター」2作は何とマガジン。昆虫フェチらしい気持ち悪さ満載の傑作。ホント、こういう中短編集にとんでもない作品があるのが手塚作品の凄さだ。にしても打率が高すぎる。2023/07/08
印度 洋一郎
3
表題は「疑惑」をテーマにした連作短編。会社の経営権を奪った妻を殺そうとするロボット技術者、借金取りとその追求を長年逃れてきた男との間に渦巻く疑心、遺伝子操作事故で隔離生活を強いられた科学者など、疑う心が物語を二転三転させていく。その他、昆虫ハンターが主人公の「インセクター」等、読後感が重い作品が多い。手塚治虫の暗黒面が濃縮されたような作品で、作者自身も「自分がこのテーマで描くと、どうしてもこうなる」と。中でも、高齢者施設を舞台にした殺人がテーマの「料理する女」は、今から半世紀前に現代を見越していた作品だ。2022/08/09




