講談社学術文庫
平将門

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  • サイズ 文庫判/ページ数 301p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061597334
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0121

内容説明

十世紀中葉、土豪・百姓を組織して坂東の地に兵を起こし、国府を陥れ「新皇」を称した平将門。時の中央政府に衝撃を与えた古代史上最大の叛乱、承平・天慶の乱である。大乱はなぜ起こり、何をもたらしたのか。乱を招来した律令制の問題点と当時の社会の諸矛盾、「武夫」の誕生を精緻に解明し、乱の歴史的意味を通して将門の実像とその時代を活写する。

目次

序章 平将門と武夫たち
第1章 歴史は転機をはらむ
第2章 大乱への流れ
第3章 孤立のなかで
第4章 合戦つづく
第5章 三つの事件
第6章 国府攻略へ
第7章 陳状の問題
第8章 将門、戦野に死す
第9章 純友、西国で戦う
結び その後に来たもの

著者等紹介

北山茂夫[キタヤマシゲオ]
1909~84。東京大学文学部国史学科卒業。元立命館大学教授。専攻は日本古代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

新父帰る

6
読んで良かった。将門については首塚を訪ねたこと、千葉(下総)で叛乱を起こした武者というくらいの知識しかなかった。本書は「将門記」をベースに学者である著者が、思いのほか読者に分かり易く語り掛けてくれる。叔父伯父たちから裏切りを受け、止む無く叛旗を翻す。恋多き若武者将門は、一家の棟梁として大きく育っていく。結果的には国家の謀反人になってしまったが、その人柄にはとても親しみを感じた。俗説では藤原純友の乱との連携を説く本もあるようであるが、本書では明確に否定している。1000年以上前の坂東武者が今ここに蘇る。2016/08/11

可兒

2
なんだかんだいって、将門は人々に好かれている2011/03/10

紫暗

2
タイトル通り、平将門の一生について書かれています。ただし、出典はほぼ「将門記」からになるので、そちらを既に読んでいるという人には作品の解説という感覚になるかもしれません。とにかく資料が少ない時代、しかも地方での出来事ということで、著者の予測や想像が随所に入り込んでいます。逆に資料がないところも補ってもらえているので想像しやすいということもできるかもしれません。この時代の事実を資料から確認することは難しいと改めて実感した一冊でした。2011/01/15

こうず

1
崩壊せんとする律令制度と、それを継ぎ接ぎにしてどうにか存続が保たれていた歪な時代の中から誕生した歪な英雄。というのが平将門という人物という気がする。一代の、同時に叛逆の英雄といったところだろうか。ただ諸々の事績を見ると、受領の横暴に苦しむ民衆の支持を受けて新皇と成りながら、結局は私闘に傾注して政権構想を欠き、『叛逆の英雄』以上の者には成りきれなかった所がこの男の限界であり、哀しみだったのだろうか、と、そんな気もする。2013/06/16

家本明佳

0
平将門の個人史について学習するために購入。筆者の将門様への愛着が伝わってくる熱っぽい文章が特徴で、読み物として面白い。内容は「将門記」の解説分のような感じ。とりわけ将門記の作者の人物像について考察している部分は説得力があるように感じた。

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