内容説明
君主としての人間形成はどのようになされたのか。明治天皇を範とする帝王教育や大元帥になるための軍事教育を受けた皇太子時代から、即位を経て政治的君主へと変貌していく過程を、新たに発表された膨大な資料をもとに克明に描出する。神秘のベールに包まれた昭和天皇をひとりの人間としてとらえ、実像に迫る出色の研究書。ピュリッツァー賞受賞作。
目次
第1部 皇太子の教育―一九〇一(明治三四)年‐一九二一(大正一〇)年(少年と家族と明治の遺産;天皇に育てる;現実世界に向きあう)
第2部 仁愛の政治―一九二二(大正一一)年‐一九三〇(昭和五)年(摂政時代と大正デモクラシーの危機;新しい皇室、新しい国家主義;政治的君主の誕生)
第3部 陛下の戦争―一九三一(昭和六)年‐一九四五(昭和二〇)年(満州事変;昭和維新と統制;聖戦)
著者等紹介
ビックス,ハーバート[ビックス,ハーバート][Bix,Herbert P.]
1938年、米国マサチューセッツ州生まれ。ハーバード大学にて歴史学および東洋言語学の博士号取得。30年にわたり日本近現代史に関する著述活動の一方、日米の大学で日本史を講じてきた。2001年まで一橋大学大学院教授をつとめた後、現在はニューヨーク州立大学ビンガムトン校教授
吉田裕[ヨシダユタカ]
1954年、埼玉県生まれ。一橋大学教授、専攻は日本近現代史
岡部牧夫[オカベマキオ]
1941年、東京生まれ。成蹊大学政治経済学部卒業。著述、翻訳業
川島高峰[カワシマタカネ]
1963年、東京生まれ。明治大学大学院修了、政治学博士。明治大学情報コミュニケーション学部助教授
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