講談社学術文庫
上海物語―国際都市上海と日中文化人

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  • サイズ 文庫判/ページ数 274p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061596672
  • NDC分類 222.21
  • Cコード C0122

内容説明

中国のなかの外国、租界を抜きに、上海の歴史は語れない。それは、欧米や日本による中国半植民地化の象徴であった。帝国主義対半植民地、革命対反革命。矛盾、対立が渦巻く国際都市上海には、さまざまな国の人々のさまざまな想いが交錯した。激動と混沌の街を舞台に展開された、魯迅、郭沫若、金子光晴、内山完造、スメドレーらの活動の軌跡を追う。

目次

1 漁村から租界へ(長江デルタ―上海誕生;租界の形成―中国のなかの西洋;小刀会・太平天国軍の上海攻撃 ほか)
2 光を求めて(郭沫若と茅盾―上海文壇事始め1;商務印書館と文学研究会―上海文壇事始め2;初期の創造社―上海文壇事始め3 ほか)
3 戦争と人間(戦火の下で;戦争のなかの日常―少女の眼で見た上海;さまざまな生―栄光と汚辱)

著者等紹介

丸山昇[マルヤマノボル]
1931年東京生まれ。東京大学文学部中国文学科卒業。専攻は近現代文学。東京大学文学部教授を経て、現在、東京大学名誉教授、桜美林大学名誉教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ハチアカデミー

10
中国文学研究者の語る国際都市上海における日中文化交流史。著者自身が「上海を舞台とした人間曼荼羅」を目指したと語る通り、芥川が、魯迅が、谷崎・佐藤春夫らが、そのトポスで誰と出会い、何を見て、何を書いたのかを丁寧にまとめている。また、なかなか分かりにくい中国文壇の組織や派閥の解説やメンバーの整理もなされている。文化交流と銘打ちつつも、ほとんどの叙述が文筆家中心なのがちと残念だが、日本人からみた近代上海史としては、始めに手に取られるべき一冊である。それにしても、内山完造の存在感がすごい。人物伝が読みたい。2013/04/03

mochi

5
中国語の学習を再開したのをきっかけに読み始めたものの、中国の歴史なんて高校の世界史以来だったので、初学者には難解だった。もう少し易しい本から読めばこの本の理解も進むかもしれない。分かったことは、近代の中国では、中国人が、日本人やヨーロッパ人よりも差別されていたこと。国際都市のイメージがあったが、その歴史の背景を知らなかった。そして、当時から多くの中国人が日本の大学に留学していたことも知らなかった。2016/02/06

しんかい32

0
戦前の中国左翼文学者の動向が最大の読みどころか。国民党とJAPにいたぶられて踏んだり蹴ったり。じつに重い内容だった。2013/05/26

naftan

0
近代中国の文学者は戦闘的だなー2009/10/12

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