講談社学術文庫
アジアの海の大英帝国―19世紀海洋支配の構図

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  • サイズ 文庫判/ページ数 311p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061596412
  • NDC分類 397.233
  • Cコード C0133

内容説明

一九世紀中葉、幾多の植民地をもち、世界市場の制覇を狙うイギリスにとって、海外権益の維持・拡充を保証する海洋支配体制の確立は急務であった。その柱となったのは、近代化され、整備された海軍力と造船業、事あるときに「陰の海軍」の役割をも担う海運業である。東アジアの海をも制し得た、大英帝国によるたくみな海洋支配の構造を明らかにする。

目次

1 帆船と蒸気船(海洋帝国イギリスの基礎;イースト・インディアマンの退場 ほか)
2 アヘン戦争と東インド会社(イギリス海軍史におけるアヘン戦争;広東貿易とアヘン密貿易 ほか)
3 アロー戦争前後の英米海軍(ペリーとエルギン;条約体制下の諸問題 ほか)
4 海洋支配の構造(インド・中国ルートの植民地基地;イギリス海軍の再編 ほか)
5 ヴィクトリア時代の軍縮論と軍拡論(平和的自由貿易論者R.コブデン;自由主義的海軍政策 ほか)

著者等紹介

横井勝彦[ヨコイカツヒコ]
1954年、名古屋市生まれ。明治大学商学部卒業。同大学大学院博士課程単位取得退学。専攻は近代イギリス経済史。現在明治大学商学部教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

中島直人

11
大英帝国の主に中国への進出において、東インド会社等の民間企業と英国海軍が果たした役割を、具体的な艦船数、兵員数を交えて分析していく。英仏二国がかりでも、意外に小さい規模(最大でも100隻、2万人程度)しか動員出来なかったことに改めて驚く。2016/01/08

鐵太郎

4
主題は、19世紀中葉の、アジアの海を舞台としたイギリス海軍の歴史です。ただし、タイミング的に一致する日本の開国に関しては、あまり触れていません。それよりはアジアにおける海洋帝国の成立史に焦点を当てています。この時代は、東アジアが植民地化される時代の終幕であり、船舶が風の力から蒸気力に、木造から鉄製に変化していった造船史的な変革があった時代であり、イギリスが海外に膨張していった時期でもあります。歴史の転換点の一つですね。この時代に、主として英国海軍の軍事面を中心に歴史を捉えたのがこの本、と言えばいいのかな。2008/10/18

残留農薬

0
吉澤誠一郎「ネメシス号の世界史」『パブリック・ヒストリー』(10 号、pp. 1-13、2013.3)から。汽走艦隊という最先端の=不安定で過渡的な技術は、軍事的には信頼感のあるのもではなく、その導入は河川交通に注力していた東インド会社→インド帝国の海軍と補助金を与えた民間の郵船会社から進行する。植民地インドからの財源と準軍事力としての民間船舶によってイギリス帝国の海洋支配は補完されていたのである。本国から見れば「安上がり」な海洋支配の構造、巧みと見るべきか、場当たり的と見るべきか(自分は後者寄りです)…2017/12/16

Yoshio

0
19世紀のイギリス海軍の木造帆船→鉄製汽船(外輪→スクリュー)の変遷と効果など インドは起点だったらしい 電信電線ないなかの指令伝達はある意味おおらかにきまつてたんだなー2017/03/02

muko1610

0
2009/05/17

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