内容説明
華麗な王朝文化を連想させる平安時代、その政治とは一体いかなるものだったのだろうか。藤原氏は、律令支配体制崩壊の中、試行錯誤の末、摂政・関白制度の妙策を案出し、王朝政治を確立した。冬嗣・基経・道長…。藤原氏覇権獲得の経緯は?天皇・公卿との熾烈な攻防や財政・軍事・警察制度など九~十一世紀の政治の実態を解明する平安時代政治史。
目次
概観 律令支配と王朝政治
1 太政官制と摂政・関白
2 王朝政治の展開
3 王朝政治と財政および軍事・警察
4 王朝政治と民衆
5 王朝貴族と学問・思想
著者等紹介
森田悌[モリタテイ]
1941年埼玉県生まれ。東京大学文学部国史学科、同法学部公法課程卒業。専攻は日本古代史。文学博士。金沢大学教授を経て、群馬大学教授
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感想・レビュー
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kochi
17
『源氏物語』の読書会に参加しているので、「王朝」と言う名にひかれて手に取る。本書では、時代的には9世紀、10世紀(まさに、紫式部と藤原道長の時代!)をカバーし、律令体制の綻びを受けて、社会構造の変質に対応して展開していったものとして「王朝政治」がとらえられている。いずれにしろ、全く知識がないので、理解の程度は心もとないのだが、文学作品などから得られる「王朝貴族が政治を顧みなかった」という見方は、不当であろうということはなんとなく理解f^_^;2015/12/17
keint
1
平安時代の行政機構・政治制度・警察軍事・政策などがわかりやすく解説されている。 民衆の信仰、貴族の学問が1つの章で取り扱われているところがユニークで、当時の人の生活や教養を知れて面白かった。 平安時代の通史の本を読む前に読んでおくとわかりやすい。2019/07/03
駒場
1
9〜11世紀の政策、財政、軍事警察、民衆の信仰、貴族の学問などを概観 もうちょい内容絞っても良かったと思う2012/07/10
りやう
0
ちょっと難しかった。学制の部分はおもしろく読めたが、他は理解したとは言い難い。2013/01/09
やご
0
平安期の中央政治についての概説書。一般向けとしてよくまとまっているんじゃないかと思います。それにしても、かの藤原道長が関白になったことがないというのは初めて知りました(摂政も1年ほど務めただけとのこと)。うかつでした。これだからたまに復習しないといけないのですね。2005/04/10