講談社学術文庫<br> 昭和の軍閥

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講談社学術文庫
昭和の軍閥

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  • サイズ 文庫判/ページ数 316p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784061595965
  • NDC分類 312.1
  • Cコード C0121

内容説明

政治腐敗や深刻な不況に揺らぐ昭和初期、充満する憤懣は改革、革命の熱気を醸成した。軍部には「世論ニ惑ハズ政治ニ拘ラズ」(軍人勅諭)の伝統を覆えさんとする軍人が現れ、軍閥を形成する。皇道派対統制派、幕僚対青年将校等の対立を内に蔵しつつも、彼らは軍の枠を超え出て国家を掌握。日本を支配し、破滅へと猛進した昭和軍閥の生成とその実態を探る。

目次

序 軍隊を考える基礎的事項
1 軍閥を生みだしたもの
2 昭和軍閥の歩み
3 隊付将校
4 四つの事件
5 昭和の軍閥
6 戦争への道
7 結び

著者等紹介

高橋正衛[タカハシマサエ]
1923年、青森県生まれ。中央大学専門部経済学科卒業。昭和史研究家。元みすず書房取締役。『現代史資料』(全45巻、索引1巻)の出版で第13回菊池寛賞受賞。1999年没
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

nnpusnsn1945

55
大正時代から、昭和十一、二年までの陸軍を描いている。後半の内容は難しいが、陸軍士官学校の同期や、隊付将校、教官、将校団、同郷などの事項は大変面白かった。戦前の昭和は軍縮からテロと戦争の時代となったが、現在も類似した状況が発生したいま、読む価値は大いにあるだろう。古本屋で購入した紙媒体で読んだが、電子版でも手軽に読めるのでそれもお勧めする。同じ著者の『二・二六事件』も読んでみたい。2022/07/15

masabi

13
【概要】外に対しては政治勢力の軍部として、内には派閥抗争を繰り広げた軍閥の勃興から開戦までを解説する。【感想】山縣有朋を中心とした地縁による長州閥から陸大卒による派閥へと代わり、後者は明確な核となる人物が居らず後にいわゆる統制派と皇道派の対立に発展する。しかし、思想上の対立よりも戦略・ポストを巡る争いの面が大きく複雑だ。二・二六事件を経て統制派が勝利するが、その過程で永田鉄山と石原莞爾が脱落する。引用や文章の読み取りにくさはあったが、部局の役割、陸大陸士の同期の関係など改めて知るものも多かった。2023/07/17

無重力蜜柑

7
割と古い本だから要求する基礎知識が多く、史料からの引用がかなりの分量を占めるので初心者には難しい。昭和の「軍閥」には二通りの意味がある。一つが政党や宮中、財閥と権力闘争を繰り広げる政治勢力としての「軍閥」で、もう一つが軍内部に割拠する政治勢力としての「軍閥」である。昭和には後者の意味での軍閥が各々好き勝手に下剋上やら国家改造をやらかしたが、そうした動きは前者の意味での軍閥の大局的利害に一致していたため、度重なるクーデターにもまともな処罰がくだらなかった。それが軍内統制の欠如を招き、二・二六事件に結実する。2022/08/27

keint

6
昭和の軍閥について基礎的事項から昭和維新関連の事件や人事について軍人の日記、インタビューの成果を盛り込んで解説している。 文中にもあるが、この時代の社会情勢を理解しておかなければ正確につかめないこともあるので、大正から昭和初期の通史本などを読んでから読めばよかったと感じた。2019/09/13

gkmond

3
3月事件から相沢事件までの流れ(本書のスコープで言うと西園寺内閣倒れたとこから)がようやく流れとして理解できた気がする。人名大杉ではあったけども割と面白く読めた。2024/02/28

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