内容説明
インドから西域に伝わった仏教は、中国、朝鮮、日本へと東漸し、それぞれの地にしっかりと根をおろした。仏教伝播の道筋には、敦煌や雲岡の石窟をはじめ仏教文化の遺産が数多く見られる。また仏教伝播の立役者は、仏図澄、法顕、玄奘三蔵ら布教・求法に燃える僧たちであった。今なお残る史跡や文物、伝道僧の事績に光を当て、仏の来た道をたどり返す。
目次
第1章 熱沙の伝道
第2章 灼熱の求法
第3章 石窟の浄土
第4章 南朝四百八十寺
第5章 末法到来
第6章 天台の聖地
第7章 華厳の風光
第8章 密教の水源
第9章 禅の源流
第10章 仏教東漸
終章 東アジアの仏教交流
著者等紹介
鎌田茂雄[カマタシゲオ]
1927年神奈川県生まれ。駒沢大学仏教学部卒業。東京大学大学院博士課程修了。東京大学東洋文化研究所教授、愛知学院大学教授、国際仏教学大学院大学教授を歴任。専攻は中国・朝鮮仏教史。文学博士。学士院賞受賞。2001年没
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感想・レビュー
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影実
2
積読本。インドから中国、そして日本へどのように仏教が伝わって来たかを、主に年代別、宗派別に解説している。道中の都市や遺跡、仏閣、霊峰、仏教以外の中国の宗教の影響などにも触れられており、仏教伝来の様子を立体的に理解できる。法顕や鳩摩羅什、鑑真など教科書では軽く触れられるだけの人々が、いかに苦労して教えや経典を求めて活動したのかが分かり、その想いの強さに圧倒される。95年刊行、2003年に講談社学術文庫で再刊行された書籍なので内容や表現は少々古め。また、ある程度の知識がないとちょっと読み辛いかもしれない。2022/09/25