内容説明
人類愛、富の平等、女性解放、社会の変革。高邁な理想を掲げ、時代をリードした知識人たち。子を捨てる、妻に横暴、大衆を蔑視、金儲けに走る。驕慢な態度でわがまま放題に振る舞った現実の姿。ルソー、マルクス、イプセン、サルトルら精神の世界に強い影響力を及ぼした知の巨人七人を俎上に載せ、その思想・言説と実生活のギャップを白日の下に曝す。
目次
第1章 ジャン=ジャック・ルソー―「おもしろい精神異常者」
第2章 カール・マルクス―途方もない毒舌
第3章 ヘンリック・イプセン―「とんでもない!」
第4章 トルストイ―神の兄
第5章 アーネスト・ヘミングウェイ―底なし沼
第6章 バートランド・ラッセル―「屁理屈屋!」
第7章 ジャン=ポール・サルトル―毛皮とインクの小さなボール
著者等紹介
ジョンソン,ポール[ジョンソン,ポール][Johnson,Paul]
1928年生まれ。オックスフォード大学卒業。現在、歴史家、評論家として執筆活動に専念
別宮貞徳[ベックサダノリ]
1927年東京生まれ。61年上智大学大学院西洋文化研究科修士課程修了。上智大学教授を経て翻訳家
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感想・レビュー
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AR読書記録
4
犯罪者として生を終えたのでない限り、基本的に死後にその生は大目に見てしかるべきものだとは思う。弔辞で悪口って、まあレトリックなものぐらいしかないやね。たとえksな人が述べたことでも、人類にとってすばらしい福音であることもあり得るし、基本的に、その人となりと、その言説は分けて考えるべき(考えないとしゃーない)とは思ってる。で、問題なのは、当事者でない者が、自分たちに都合のいいようにそれを利用し始めることだ。ただしその当事者ない者とは結局、一人ひとり責任を特定することもできない大衆レベルになる。難しい。2015/12/31
Masako3
0
知識人であるルソー、マルクス、トルストイ達の私生活がひどいものであったことを痛烈な文章(翻訳本だけど)で記載している。私は作家は作品が全てだと思うし、被害を受けた家族以外に当人の乱行をとやかく言う必要を感じない。 ただ、マルクスだけはいただけないかな。事実の歪曲に基づいた議論を意図的に行い、それが後の社会に影響してしまった。 人の話を鵜呑みにしてはいけないのだ。2016/02/13
ねぎとろ
0
稀代のクソ本だった。あとがきに「作品には偏見をもっていない」とあるが、原書出版の88年の時点で、ジャン・ジュネを「同性愛の泥棒」としか述べることが出来ないあたりに、著者のレベルが知れる。訳者も弟子にやらせたのなら、「監訳」とでも記しておけよ。/大体の解釈は疑似科学的な生まれの影響で済まされ、なぜそんなクソ野郎どもの思想とが広まったといえば、大衆が(エリートも)馬鹿だったとのこと。偉そうな御託を述べる知識人の偶像破壊をしたつもりで、透けて見えるのは著者の人間を小馬鹿にした態度でしかなかった。2014/05/05
ローリングエルボー
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色々と幻滅したことがあり。2014/03/08
ShefiJapan
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有名な(西洋の)知識人のプライベートのこと。例:教育哲学で有名なフランス人思想家ジャン・ジャック・ルソーは自分の5人の子を養子に出した!等々。。。面白い。