内容説明
本書は、言霊と他界に関わるさまざまな思惟や観念の分析を通じ、近世から現代にかけての日本人の隠された精神史を探った論考である。分析の対象となる人物は、真淵、宣長、秋成、篤胤から、露伴、八雲、透谷、鏡花、さらには柳田、折口、南方等と多彩で、その考察も変化に富む。言霊と他界を同時に視界に捉え、両者に架橋を試みようとする意欲作。
目次
1章 よし刈るあし
2章 篤胤の柱
3章 「かくり世」と「かくれ里」
4章 御杖のともし火
5章 鳥の言葉
6章 八雲の耳
7章 蓬莱と心宮
8章 明治の神仙世界
9章 山のユートピア
10章 王仁の暗号
11章 象徴の森
12章 歌の死滅
13章 霊魂の行方
著者等紹介
川村湊[カワムラミナト]
1951年、北海道生まれ。法政大学法学部政治学科卒業。韓国・東亜大学助教授を経て、現在法政大学国際文化学部教授。1980年、群像新人文学賞(優秀作)受賞。1995年、平林たい子賞受賞
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
perLod(ピリオド)🇷🇺🇨🇳🇮🇷🇵🇸🇾🇪🇱🇧🇨🇺
4
登録忘れ本。単行本は1990年、この文庫化は2002年。読了は2007年以前。タイトル通りの内容で言霊と他界についての日本の事例が挙げられている。全て近代で本居宣長、平田篤胤、柳田国男、折口信夫、小泉八雲、王仁三郎、北村透谷、泉鏡花、幸田露伴等々。現在でも言霊論は時々見かけるけど凡そ否定的な文脈で言及されるのでやや反感を覚える次第。内容を大分忘れているので再読したい。
海野藻屑
0
神とは人間の欲がつくったものだと。神聖なものだと称えられるものは人間のエゴがつくったものだと思うとグロテスクに感じる。2017/07/01
ゆこぅ
0
作者にとっては言葉そのものが彼岸と出会うためのアカシックレコードなのかもしれない。音声と文字とかなのシステム、どれで捉えるかで神秘主義も見方が変わるんだなー…ていうか国学・文学・民俗学の人達って結構やばかったのか。2015/11/24
-
- 和書
- とんぼエンピツ