内容説明
五千数百字に凝縮された知恵の宝庫『老子』。詩的リズムと象徴的陰影に富んだ魅力ある文章で綴られ、さまざまな思想と教訓がこめられた不朽の書である。人間の欲望や文明を激しく批判、現代に警鐘を鳴らし、また、無為自然や独特の「道」の形而上学が説かれる。その文章の中から、親しみやすい名言名句を選び、老子の思想の全貌を平易に解説する格好の入門書。
目次
序章1 老子という人物
序章2 老子の思想のあらまし
序章3 書物としての『老子』
第1章 世相批判の言葉
第2章 「道」に関する言葉
第3章 柔弱謙下の処世訓
第4章 無為の治
第5章 その他の有名な言葉
著者等紹介
楠山春樹[クスヤマハルキ]
1922年、東京都生まれ。早稲田大学文学部東洋哲学科卒業。中国思想史専攻。現在、早稲田大学名誉教授。文学博士
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感想・レビュー
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こうけんどう
5
老子について、現行本だけでなく新たな発掘本による研究成果や関連する歴史書、その他のエピソードも交えつつ、丁寧に解説されていてわかりやすかった。この本で老子全体を眺めてみると、個人というより、君主に向けた政治に当たっての心構えや自身の在り方を念頭に説かれた面が強いように感じた。 とはいえ、老子に表された不争・無私・謙虚の柔弱謙下を旨とした生き方には、長年親しんだ事もあり、強く共感する。2019/07/24
にゃん吉
4
その思想を理解する上で重要な言葉や、有名な言葉を取り上げ、解説する形式。当時の最新の研究の状況や、解釈等をふまえた解説で、難しいところもありますが、基本的には、入門書らしく平易かと。読んでいると、素朴で、どこか伸び伸びとするような気分がしました。柔弱謙下、無為の治等々老子の思想の世界観、政治、社会観等は、自然科学の考え方、西洋近代に連なる現代の価値観とは、相容れないとは思われますが、単なる処世訓のような形に留めて現代と折り合わせてしまうだけでは惜しいような味わいも覚えました。 2021/07/25
クラーケン
2
「学絶てば憂いなし」この文言だけで、ごはん三杯いけそうなぐらい、味がしみているような。情報が氾濫し、バズれば一攫千金のチャンスがあるような、SNSで友達とも日常競わない行けないこの現代にこそ生きてくる気がします。 ただ、内容の中に安い自己啓発本にありそうな「今は負けることで最終的に勝てるよ」みたいな弱者のルサンチマンを煽ってる感じを受けました。それは後世の人が含意させたものなのか。真の負けのために敢えて、情報を載せる意味もないけど、最終的にも負けることで真に人生で勝つ…自分で書いてて訳わからんけど面白い2021/03/28
ヒダン
2
長めの序章の後、道・世相批判・柔弱謙下・無為の治・その他のカテゴリーごとに老子本文が引用されており、紹介、書き下し文、日本語訳、解説を1単位として積み重ねていく。1単位あたりで引用される文は短いが、解説はしっかりしているためなかなか進まない意味はあるものの読んでいて分かりやすかった。逆説的なレトリックが多く、表現が面白かった。2013/11/13
yshigeru
2
老子は無為を良しよする。無為とは本当に何もないということを意味しない。コップはその中が空っぽであるから水を溜めることができるのであるが、本当に何もなければ水を溜めることはできない。同様に、無知は何も知らないことではなく、いわゆる権謀術数を知らないということである。2013/05/19




