内容説明
七世紀前半、預言者ムハンマド(マホメット)は史上初のアラビア全土統一を達成した。それがイスラムの時代の幕開けであった。預言者の死後、アラビア人による大征服が始まり、アジア・アフリカ・ヨーロッパの三大陸に跨る空前の大帝国が出現する。マホメットの登場からオスマーン帝国へと至る時代を軸に、アル=クルアーン(コーラン)の民の多彩で波瀾に富んだ歴史をたどる。
目次
1 古代アラビア
2 マホメットとイスラム教
3 メディナのカリフたち
4 ウマイヤ家の人々
5 バクダードの黄金時代
6 統一と分裂
7 覇権と異端
8 暴風と怒涛と―十字軍とモンゴル帝国
9 馬蹄とどろく
10 雄峰並び立つ
著者等紹介
前嶋信次[マエジマシンジ]
1903年、山梨県生まれ。東京帝国大学文学部卒業。東洋史専攻。台北帝国大学教授、満鉄東亜経済調査局などを経て、1956‐71年慶応大学教授。長年イスラム史研究の指導者として活躍。1983年歿
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感想・レビュー
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白義
14
イスラム史研究の指導者による、諸王朝と英雄たちの興亡から見た文明史。世界史シリーズの一冊として出たもの。人物たちの偉業に的を絞っているので読みやすく、入り込める。カリフを救った覆面の義士マアン=ブヌ=ザーイダ、聖ルイの軍勢を打ち破り捕らえた元奴隷の女傑シャジャル=ウッ=ドッルなど絵になるヒーローも満載。十字軍でありながら、指導者のフリードリヒ二世がイスラム文化の信奉者で、しかも歴代最大の戦果を上げたという奇妙な第六回十字軍など、周辺の世界史のエピソードの盛り込みかたも上手い。オススメの本2013/01/21
ソーシャ
1
預言者ムハンマドの登場からオスマン帝国最盛期までのイスラム史の大家による通史。途中人物関係が分かりにくいところがありましたが、高校世界史では暗記に走りがちなイスラム史の魅力が伝わってきます。ただ、本によって違うことが書かれているのはなぜなんでしょう。2013/11/21
Kanbukyoukou
0
「イスラム世界」という本と間違えていた。 この間読んだのはこっち。 「イスラム世界」の方も読んだことはあったけれど。2014/10/03
ELW
0
ムハンマドからオスマン帝国に至るまで一通り以上に勉強になった。とくに、ウマイヤ朝やアッバース朝の末期のありさま、丘長春とチンギスハン、イブン・ハルドゥーンとティムールの対面は詳しくは知らなかった。2023/08/01
pogeko
0
人物中心に書かれているため取っつきやすい。ムハンマドから始まり正統カリフ時代・ウマイヤ朝・アッバース朝の衰退期あたりまでは君主を順繰りに話を進めているので流れの理解によかった2019/07/20
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- 和書
- 同じ窓から見た違う月