内容説明
人は真に生きようとして、自己からの超脱を目指す。そして、瞑想・祈り・秘儀を通し、神との一体化を図る。古代ギリシアのエレウシスの密儀、ユダヤ教のカバラ、イスラム教のスーフィー、シャーマンの憑依現象…。神秘主義とは、一体いかなるものなのか。比較宗教学の泰斗が「合一」「同一」の基本構造を軸に、世界の主要宗教の神秘主義の諸相と特徴を解明する。
目次
第1部 神秘主義の意味(序;密儀と合一)
第2部 神秘主義的一元論(自然汎神論;インドの哲学的一元論 ほか)
第3部 神秘主義的有神論(インドの一神教;聖書とカバラ ほか)
第4部 経験(ヴィジョン、恍惚、セックス;ドラッグとオカルト ほか)
著者等紹介
パリンダー,ジェフリー[パリンダー,ジェフリー][Parrinder,Geoffrey]
1910年生まれ。ロンドン大学キングズカレッジ比較宗教学名誉教授
中川正生[ナカガワマサオ]
1940年長崎県生まれ。法政大学大学院博士課程修了。哲学専攻。TBSブリタニカを経て、現在、翻訳に従事
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感想・レビュー
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さえきかずひこ
12
現代の比較宗教学的で公平な視点にもとづき、ヒンドゥー教、キリスト教、イスラムなどに見られる神秘主義について概説する一冊。ドラッグ神秘主義についてまで触れていることはこの本が1976年に書かれたことの証左であろう。ぼくはシモーヌ・ヴェイユの『バガヴァッド・ギーター』への傾倒ぶりに関心を持っているので、本書の中で広くこのヒンドゥーの教典についての記述に触れることができ嬉しいと同時に楽しかった。訳者あとがきでも、ヒンドゥーの化身思想とキリスト教の受肉思想の近似性が指摘されているのは本当に興味深い(P.336)。2018/09/20
かずら
1
比較宗教学の観点から神秘主義を考えます。神(あるいはそれに準ずるもの)との合一を目指す発想は洋の東西をにかかわらず存在するのですね。神がいるかどうかは別にして、「そういう風に感じる(錯覚する)」ことは案外ありふれているのかもしれません。しかし、著者は一神教の国で生まれた人なのでしょうね。多神教を説明するのにかなり手こずっていました。2014/02/03
しょ~や
0
広く分類をしていてとても面白いと思う。2016/12/07
gkmond
0
よくわからなかった。2014/12/02