内容説明
蓮如が認めた御文は、衰微していた本願寺を再興し、真宗繁栄の道筋を拓く切り札となった。真実の信仰とはいったいどんなものなのか。深い愛と智恵に満ち、信じる事の法悦を謳う伝道の書で、親鸞の教えと蓮如の全思想が凝集されている御文十通を、本願寺門跡、蓮如研究の第一人者が、一語一語丁寧に読み解き、真宗信心の要訣を描き示す。
目次
五帖目第十通―聖人一流の章
五帖目第十一通―御正忌の章
五帖目第十三通―无上甚深の章
五帖目第十四通―上〓下主の章
五帖目第十五通―阿弥陀如来本願の章
五帖目第十六通―白骨の章
五帖目第十七通―一切女人の章
五帖目第十八通―当流聖人の章
五帖目第十九通―末代悪人の章
五帖目第二十一通―経釈の明文の章
著者等紹介
大谷暢順[オオタニチョウジュン]
1929年京都生まれ。東京大学文学部、ソルボンヌ高等学院卒業。パリー第7大学文学博士。名古屋外国語大学名誉教授。フランスパルム・アカデミック勲章受章。現在、本願寺維持財団理事長。著書に『蓮如上人全集』『定本五帖御文』『親鸞聖人集』(仏語)『御文を通じて見たる蓮如上人の教理と実践』(仏語)『ジャンヌ・ダルクと蓮如』、訳書に安部公房『他人の顔』(仏訳)などがある
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かんちゃん
11
語釈に多くの紙面が割かれ、やや学術書的な筆致で書かれているが、大谷家に生まれた著者はまぎれもない宗教家でもあり、宗教書的な側面も持つ独特の本に仕上がっている。蓮如の五帖御文の解説書だが、そもそもの御文の性格そのままに、浄土真宗の教義をわかりやすく説明している。浄土真宗を知るための入門書としてちょうど良いだろう。2015/02/19
こうけんどう
7
真宗門徒でありながら中身をほとんど知らずに、白骨の章に興味を持ち手に取った。 他力本願は、単に南無阿弥陀仏を称えれば極楽へ行けると言う単純なものではない。自分で称えて救われるのは自力に頼った方法。これも捨てて一心に佛の助けを信ずることが他力である。 阿弥陀如来がお助け下さることをつゆほども疑わず、ただ信心だけというように、全て如来にお任せすることで、安き心を得ると言うことが真宗の真髄であった。 とても丁寧に解説してあり、もう少し知りたいと言う気持ちになった。 2019/07/15
Sanchai
3
元々学術論文を狙った書きぶりだが、ひらがな表記の原文は朗読しやすく、各章の現代語訳と由来あたりは読みやすい。日々の勤行における御文の読み方、特に章の選び方とその味わい方のヒントが得られたように思う。2021/04/27
Sanchai
1
2年ぶりの再読。勤行集に収録されている代表的な「御文」には、五帖御文からの抜粋されたものが多いのだなというのがよくわかった。2023/05/05
-
- 和書
- 日本美術史 放送大学教材