内容説明
現代の生物学は限りない効率化の波にのみこまれ、生命全体を見つめることを忘れたのではないだろうか。本書は、このような問題意識をもって、「いのち」の全体像に、深くかつ分り易く迫っていく。古来からの生命観の変遷をたどりつつ、最先端の分子生物学に至る科学者たちの挑戦と苦闘を温かいまなざしで描き出す、著者渾身の一書。
目次
第1章 古い生命観の移り変わり
第2章 子はなぜ親に似るか
第3章 染色体と遺伝子の関係を探る
第4章 分子とはなんだろう
第5章 遺伝物質の化学的実体
第6章 DNA分子の構造と複製
第7章 遺伝子とはなにか
第8章 遺伝情報はいかにして形質として発現されるか
第9章 遺伝暗号
第10章 遺伝子や酵素の働きを調節する