内容説明
1855年、震度6の地震が百万都市江戸を襲った。安政大地震である。明日を見失った被災民は、生へ向う意志と復興への願いをこめて、地震鯰絵やかわら版に熱狂する。これら民衆のメッセージは、時空を越えて現代のわれわれにも何事かを訴えかけているに違いない。残された資料の中に災害史の新しい可能性を探る好著。
目次
序論 災害社会史の方法
第1部 災害と情報(災害の社会性―被害の軽重;情報における事実と真実;さまざまな地震誌;地震鯰絵と民衆)
第2部 災害と救済(災害と救済;施行論―抑圧と解放と)